FRP防水とウレタン防水の違い|費用・耐用年数・向いている住宅を比較

FRP防水とウレタン防水の費用・耐用年数・向いているベランダを比較したアイキャッチ画像 住宅メンテナンス

ベランダの防水工事を調べると、候補としてよく挙げられるのが「FRP防水」と「ウレタン防水」です。

業者によって提案する工法が異なると、「どちらの方が長持ちするのか」「戸建住宅にはどちらが向いているのか」と迷う方も多いのではないでしょうか。

FRP防水は、ガラス繊維と樹脂を組み合わせ、硬く強度のある防水層を形成する工法です。

一方、ウレタン防水は、液状のウレタン樹脂を塗り重ね、継ぎ目のない防水層を形成します。

一般的な戸建住宅の小さなベランダではFRP防水が多く使われますが、複雑な形状や既存防水を生かした改修では、ウレタン防水が適していることもあります。

比較項目FRP防水ウレタン防水
主な材料ガラスマット・樹脂液状ウレタン樹脂
費用相場6,000〜10,000円/㎡程度5,000〜11,000円/㎡程度
小規模ベランダの総額10万〜30万円程度10万〜35万円程度
耐用年数の目安10〜15年程度10〜13年程度
防水層の硬さ硬く強度が高い弾力があり比較的柔らかい
複雑な形状対応可能特に対応しやすい
工期比較的短い乾燥工程が多く長くなりやすい
膜厚積層によって確保しやすい職人の施工管理が重要
向いている場所小規模な戸建住宅のベランダ複雑な形状・広い床・改修工事

耐用年数は、一般的な施工例を基にした当サイト編集上の目安です。

防水材メーカーが、すべての住宅に対して一律に保証する年数ではありません。

実際の耐久性は、下地、防水材の商品、施工仕様、膜厚、日当たり、トップコート、ベランダの使用状況などによって変わります。

塗装職人
塗装職人

一般的な戸建住宅の小さなベランダで、下地が安定しているならFRP防水が候補になります。

下地の動きや水分が気になる場合、形状が複雑な場合、既存防水を生かして改修したい場合は、ウレタン防水も有力な選択肢です。

ただし、「戸建住宅だから必ずFRP」「古い住宅だから必ずウレタン」と決めることはできません。

現在の防水工法と下地の状態を確認し、必要な下地補修を含めて選ぶことが重要です。

この記事では、FRP防水とウレタン防水の違いを、費用、耐用年数、強度、工期、施工方法、向いている住宅、メンテナンス方法に分けて比較します。

💡 記事後半では、外壁塗装とベランダ防水を一緒に検討する方に向けて、見積もり比較サービスも紹介しています。

記事監修者である塗装職人のイラスト

この記事の監修者

外壁塗装職人(監修者)
・職人歴12年の現役塗装職人
・施工経験:戸建て・マンション・工場・店舗
・専門分野:外壁塗装・屋根塗装・防水工事・シーリング工事

これまで多数の現場で施工・現地調査・見積もりを担当。
本記事では実際の施工経験と現場知識をもとに解説しています。

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  1. FRP防水とウレタン防水の基本的な違い
    1. FRP防水とは
    2. ウレタン防水とは
  2. FRP防水とウレタン防水の費用を比較
  3. FRP防水とウレタン防水の耐用年数を比較
  4. FRP防水のメリット
    1. 硬く強度のある防水層を形成できる
    2. 防水層の厚みを確認しやすい
    3. 硬化が早く工期を短くしやすい
    4. 小規模なベランダへ施工しやすい
  5. FRP防水のデメリット
    1. 下地の動きによってひび割れる可能性がある
    2. 広い床では費用が高くなることがある
    3. 施工時に臭いや粉じんが出ることがある
    4. トップコートの定期的な点検が必要
  6. ウレタン防水のメリット
    1. 複雑な形状へ施工しやすい
    2. 継ぎ目のない防水層を形成できる
    3. 既存防水の上へ施工できる場合がある
    4. 下地の動きへ比較的追従しやすい
  7. ウレタン防水のデメリット
    1. 膜厚が職人の施工技術に左右されやすい
    2. 乾燥時間が必要で工期が長くなりやすい
    3. 下地に水分があると膨れる可能性がある
    4. 摩耗や傷への対策が必要
  8. FRP防水が向いている住宅・ベランダ
  9. ウレタン防水が向いている住宅・ベランダ
  10. FRP防水とウレタン防水の選び方
    1. 既存の防水工法を確認する
    2. 下地の状態を確認する
    3. ベランダの形状と使用方法を確認する
    4. 工期と臭いも比較する
    5. 無料で見積もりを比較したい方へ
  11. FRP防水の上にウレタン防水は施工できる?
  12. ウレタン防水の上にFRP防水は施工できる?
  13. どちらを選んでも下地補修が重要
  14. トップコートの塗り替えで済む場合もある
  15. FRP防水とウレタン防水の見積書で確認するポイント
  16. 防水業者を選ぶポイント
  17. FRP防水とウレタン防水に関するよくある質問
    1. FRP防水とウレタン防水はどちらが長持ちしますか?
    2. 戸建住宅のベランダにはどちらがおすすめですか?
    3. FRP防水とウレタン防水はどちらが安いですか?
    4. FRP防水は割れやすいですか?
    5. ウレタン防水は柔らかいので歩けませんか?
    6. 既存FRPの上へFRPを重ねられますか?
    7. 既存FRPの上へウレタンを塗れますか?
    8. 防水工事中はベランダを使用できますか?
    9. トップコートは何年ごとに塗ればよいですか?
    10. 雨漏りしている場合はどちらを選べばよいですか?
    11. 防水工事に火災保険は使えますか?
  18. まとめ
  19. おすすめの外壁塗装見積もりサービス

FRP防水とウレタン防水の基本的な違い

FRP防水とウレタン防水の施工方法・防水層の構造・仕上がりの違いを比較した画像

FRP防水とウレタン防水は、どちらも液状材料を使用する塗膜防水ですが、防水層の作り方と仕上がりの性質が異なります。

FRP防水とは

FRPとは、繊維強化プラスチックを意味します。

防水用のガラスマットへ樹脂を含浸させ、硬化させることで、強度のある防水層を形成します。

主な構成は次のとおりです。

  • 下地
  • プライマー
  • ガラスマット
  • 防水用樹脂
  • 中塗り・仕上げ樹脂
  • トップコート

住宅紛争処理技術関連資料集でも、FRP系塗膜防水の主材料として、防水用樹脂、硬化剤、ガラスマット、通気緩衝シート、仕上げ材などが挙げられています。

硬化後は、浴槽や船体にも使われるFRPと同じように、硬く丈夫な層になります。

歩行する機会がある小規模なベランダに使いやすく、戸建住宅で多く採用されている防水工法です。

ウレタン防水とは

ウレタン防水は、液状のウレタン樹脂を複数回塗り重ねて、防水層を形成する工法です。

液体状の材料を使用するため、排水口、立ち上がり、配管、室外機周辺など、形状が複雑な場所にも施工しやすい特徴があります。

主な構成は次のとおりです。

  • 下地
  • プライマー
  • 必要に応じて通気緩衝シート
  • ウレタン防水材
  • 補強布・端部補強材
  • トップコート

AGCポリマー建材でも、ウレタン防水は屋上やベランダなど、幅広い建築物へ使用される防水システムとして案内されています。

FRP防水より弾力があり、下地のわずかな動きへ比較的追従しやすい点も特徴です。

ただし、液状材料を職人が塗布するため、規定された材料使用量と膜厚を守る施工管理が重要になります。

FRP防水とウレタン防水の費用を比較

FRP防水とウレタン防水の費用相場や工法の違いを比較したベランダ防水の解説画像

費用だけを見ると、ウレタン防水の密着工法がFRP防水より安くなる場合があります。

一方、通気緩衝シートを使用する工法や下地補修が必要な場合は、ウレタン防水の方が高くなることもあります。

工事内容施工単価の目安小規模ベランダの総額目安
FRP防水6,000〜10,000円/㎡10万〜30万円
ウレタン防水・密着工法5,000〜8,500円/㎡10万〜25万円
ウレタン防水・通気緩衝工法7,000〜11,000円/㎡15万〜35万円
トップコート塗り替え2,000〜4,000円/㎡5万〜15万円
既存防水の撤去2,000〜5,000円/㎡状態により別途
下地補修状態により異なる5万〜30万円以上

上記は、一般的な戸建住宅の小規模なベランダを想定した当サイト上の目安です。

公的機関や防水材メーカーが定める一律の価格ではありません。

実際の費用は、施工面積、既存防水、下地、立ち上がり、排水口、材料、室外機、足場、地域などによって変わります。

例えば、5㎡のベランダへ6,000円/㎡の防水工事を行う場合、単純計算では3万円です。

しかし、実際には次の費用も必要です。

  • 現地調査・出張費
  • 荷物や室外機の移動
  • 洗浄・清掃・研磨
  • 周辺の養生
  • ひび割れや下地の補修
  • 床面と立ち上がり部分の施工
  • 排水口周辺の防水処理
  • 材料運搬・廃材処分
  • 現場管理などの諸経費

小さなベランダでは、面積を掛けただけの金額より、実際の総額が高くなることがあります。

工法ごとの㎡単価だけでなく、下地処理や排水口を含む工事総額で比較しましょう。

FRP防水とウレタン防水の耐用年数を比較

FRP防水とウレタン防水の耐用年数や点検目安、劣化症状を比較した図

一般的な改修時期の目安は、FRP防水が10〜15年程度、ウレタン防水が10〜13年程度です。

比較項目FRP防水ウレタン防水
防水層の耐用年数目安10〜15年程度10〜13年程度
トップコートの点検3〜5年程度を一つの目安に確認5年前後を一つの目安に確認
主な劣化症状ひび割れ・剥がれ・摩耗膨れ・剥がれ・摩耗・ひび割れ
耐久性を左右する要因下地の動き・積層数・トップコート膜厚・下地水分・乾燥・トップコート

ただし、耐用年数だけでFRP防水の方が優れているとは判断できません。

FRP防水は硬く強度がありますが、下地が大きく動くと、防水層がひび割れる可能性があります。

ウレタン防水は比較的柔軟ですが、規定された膜厚が不足していると、摩耗や劣化が早くなる可能性があります。

トップコートの種類によっても、メンテナンス時期は異なります。

アイカ工業のFRP防水用トップコートの製品例では、従来型は2〜5年、高機能タイプは5〜10年ごとの塗り替えが推奨されています。

これは特定製品に関する推奨時期であり、すべてのFRP防水へ一律に当てはまる年数ではありません。

住宅会社の維持管理計画、使用されている商品、保証書を確認してください。

FRP防水のメリット

硬く強度のある防水層を形成できる

FRP防水は、ガラス繊維と樹脂を一体化させることで、硬く強度のある防水層を形成します。

人が歩いたり、洗濯物を干したりする戸建住宅のベランダに使いやすい工法です。

室外機や収納用品を置く場合も、防水層が適切に施工されていれば、日常的な歩行や使用に対応できます。

ただし、室外機や植木鉢を引きずると、トップコートや防水層を傷つける可能性があります。

防水層の厚みを確認しやすい

FRP防水は、ガラスマットを積層して防水層を作ります。

1層仕様や2層仕様など、ガラスマットの枚数と材料構成から、防水層の仕様を比較しやすい特徴があります。

見積書では、単に「FRP防水」と書いてもらうのではなく、使用するガラスマット、積層数、樹脂の商品名を確認しましょう。

硬化が早く工期を短くしやすい

FRP防水は、材料が比較的早く硬化するため、小規模なベランダなら2〜4日程度で施工できることがあります。

ウレタン防水のように各塗布工程で長い乾燥時間を確保する必要が少なく、ベランダを使用できない期間を短くしやすい点がメリットです。

ただし、下地補修や既存防水の撤去が必要な場合、工期は長くなります。

小規模なベランダへ施工しやすい

FRP防水は、戸建住宅の一般的な小規模ベランダで多く採用されています。

アイカ工業のFRPシート複合防水工法も、戸建住宅のフラットルーフやバルコニー向けの工法として案内されています。

木質系下地の新築住宅では、住宅会社が標準仕様としてFRP防水を採用している場合もあります。

FRP防水のデメリット

下地の動きによってひび割れる可能性がある

FRP防水は硬く強度がある反面、ウレタン防水ほど柔軟ではありません。

木質下地の継ぎ目が動いたり、合板の固定が不足していたりすると、その動きが防水層へ伝わり、ひび割れにつながることがあります。

ひび割れが直線状に伸びている場合は、防水層の表面だけでなく、下地の継ぎ目や固定状態を確認してもらいましょう。

下地の動きを直さずにFRP防水だけを補修すると、同じ場所が再び割れる可能性があります。

広い床では費用が高くなることがある

FRP防水は、ガラスマットを敷き込み、樹脂を含浸させる必要があります。

面積が広い屋上やルーフバルコニーでは、材料費と施工手間が増え、ウレタン防水やシート防水より高くなる場合があります。

小さなベランダではFRP、大きな屋上では別の工法というように、面積と形状によって使い分けることがあります。

施工時に臭いや粉じんが出ることがある

FRP防水では、使用する樹脂によって特有の臭いが発生することがあります。

既存防水を研磨するときは、細かな粉じんが出ることもあります。

工事中は窓を閉め、洗濯物を室内へ移動し、換気方法を業者へ確認してください。

トップコートの定期的な点検が必要

FRP防水層は、表面のトップコートによって紫外線や摩耗から保護されています。

トップコートが色あせ、粉化、剥がれを起こしたまま放置すると、防水層へ紫外線や摩耗の影響が及びます。

防水層が健全な段階でトップコートを塗り替えることで、全面的な再防水を避けられる可能性があります。

ウレタン防水のメリット

複雑な形状へ施工しやすい

ウレタン防水は、液状材料を塗って防水層を形成します。

次のような複雑な場所でも、継ぎ目の少ない防水層を作りやすい特徴があります。

  • 排水口周辺
  • 外壁側の立ち上がり
  • サッシ下
  • 配管・設備周辺
  • 室外機の架台周辺
  • 凹凸が多い床面

既製品のシートを加工する必要がなく、狭い場所や入り組んだ形状にも対応しやすい工法です。

継ぎ目のない防水層を形成できる

ウレタン防水は、液状材料を連続して塗布するため、床面に継ぎ目のない防水層を形成できます。

シート同士の継ぎ目から雨水が入る心配を減らしやすく、立ち上がりや排水口まで連続して施工できます。

ただし、床と立ち上がりの境目や排水口周辺では、補強布や専用部材を正しく施工する必要があります。

既存防水の上へ施工できる場合がある

既存のFRP防水やウレタン防水が下地へ十分に接着していれば、適切な下地処理とプライマーを行い、その上からウレタン防水を施工できる場合があります。

既存防水を全面撤去せずに済めば、撤去費と廃材処分費を抑えられる可能性があります。

ただし、既存防水が膨れている、剥がれている、水分を含んでいる場合は、そのまま重ねることはできません。

下地の動きへ比較的追従しやすい

ウレタン防水層には弾力があり、FRP防水よりも下地のわずかな動きへ追従しやすい特徴があります。

下地の動きが考えられる場所では、補強布や通気緩衝シートを組み合わせることもあります。

ただし、大きく動く下地や腐食した下地を、防水材の柔軟性だけで補うことはできません。

必要な下地補修を先に行うことが前提です。

ウレタン防水のデメリット

膜厚が職人の施工技術に左右されやすい

ウレタン防水は液状材料を塗るため、施工者が材料の使用量や塗布回数を管理する必要があります。

材料が薄い部分には、次の問題が起こる可能性があります。

  • 摩耗しやすくなる
  • ひび割れが起こりやすくなる
  • 下地の影響を受けやすくなる
  • 想定より早く劣化する

見積書では、単に「ウレタン防水2回塗り」と書くだけでなく、使用する商品と予定使用量を確認しましょう。

乾燥時間が必要で工期が長くなりやすい

ウレタン防水では、プライマー、防水材1層目、防水材2層目、トップコートなど、複数の工程を行います。

前の層が十分に硬化してから次の工程へ進むため、FRP防水より工期が長くなる傾向があります。

一般的な小規模ベランダでは、3〜7日程度が一つの目安です。

雨、低温、高湿度などによって乾燥が遅れると、さらに工期が延びることがあります。

下地に水分があると膨れる可能性がある

下地に水分が残っている状態で密着工法を行うと、水分が水蒸気となり、防水層を押し上げることがあります。

床面に水分が残る可能性がある場合は、十分に乾燥させるか、通気緩衝工法を検討します。

通気緩衝工法では、下地と防水層の間に通気緩衝シートを設置し、下地から上がる水分や湿気を逃がしやすくします。

ただし、材料と工程が増えるため、密着工法より費用が高くなります。

摩耗や傷への対策が必要

ウレタン防水はFRP防水より柔らかいため、室外機、植木鉢、椅子などの脚部による傷や摩耗に注意が必要です。

頻繁に歩く場所では、歩行用トップコートや保護仕上げを選びます。

重量物を直接置く場合は、メーカー仕様に合った保護板や架台の使用を相談しましょう。

FRP防水が向いている住宅・ベランダ

FRP防水は、次のような住宅やベランダに向いています。

  • 戸建住宅の小規模なベランダ
  • 木質系下地が安定している
  • 日常的に人が歩く
  • 洗濯物を干すため頻繁に使用する
  • 工期をできるだけ短くしたい
  • 既存防水もFRPで状態が比較的よい
  • 硬く丈夫な床面を希望する

一般的な戸建住宅のベランダでは、面積が小さく、人が歩くことも多いため、FRP防水の強度と短い工期を生かしやすくなります。

ただし、下地が柔らかい、沈む、きしむ場合は、そのままFRP防水を施工しないでください。

防水工事の前に、合板や根太などの下地補修が必要です。

ウレタン防水が向いている住宅・ベランダ

ウレタン防水は、次のような住宅やベランダに向いています。

  • 床面の形状が複雑である
  • 排水口や配管が多い
  • 広いルーフバルコニーである
  • 既存防水を生かして改修したい
  • 下地の動きへ配慮したい
  • 既存防水を全面撤去しにくい
  • 下地水分を考慮して通気緩衝工法を使いたい

ウレタン防水は、改修工事で既存防水の上へ施工できる場合があるため、古い住宅の防水改修でも候補になります。

ただし、既存防水が浮いている、下地が腐食している、雨水が内部へ入っている場合は、劣化部分を撤去してから施工しなければなりません。

FRP防水とウレタン防水の選び方

ベランダの条件検討しやすい工法
小規模で一般的な戸建住宅のベランダFRP防水
頻繁に歩行するFRP防水または歩行仕様のウレタン防水
配管・設備・凹凸が多いウレタン防水
広いルーフバルコニーウレタン防水・シート防水なども比較
下地が安定しているFRP・ウレタンの両方が候補
下地に水分が残る可能性がある下地補修・乾燥後に通気緩衝工法を検討
既存FRPを生かして改修したいFRP再施工または適合するウレタン防水
防水層が大きく剥がれている工法選定前に撤去・下地調査
床が柔らかい・沈む防水工事前に下地補修

既存の防水工法を確認する

防水工法を選ぶ前に、現在施工されている防水の種類を確認します。

既存防水が分からない場合は、次の資料を探してください。

  • 新築時の設計図書
  • 仕上げ表・仕様書
  • 住宅会社の保証書
  • 過去の修理見積書
  • 施工写真
  • 使用した材料の商品名

資料がない場合は、現地調査で表面や端部を確認してもらいましょう。

下地の状態を確認する

防水工法より先に確認しなければならないのが、下地の状態です。

次の症状がある場合は、防水層の下まで調査する必要があります。

  • 床を踏むと沈む
  • 床が柔らかい
  • 床がきしむ
  • 防水層が膨れている
  • 同じ場所でひび割れを繰り返す
  • 下階の天井に雨染みがある

腐食した下地の上へFRPやウレタンを施工しても、防水層を安定して支えられません。

ベランダの形状と使用方法を確認する

小さく単純な形状だからFRP、複雑だからウレタンという考え方は、工法選びの一つの目安です。

実際には次の条件も確認します。

  • 床面の広さ
  • 立ち上がりの高さ
  • 排水口の数と位置
  • 室外機や配管の位置
  • 日常的に歩く頻度
  • 椅子・収納箱・植木鉢を置くか
  • サッシ下の防水処理

工法だけでなく、歩行用トップコート、補強布、保護材などを含めた仕様を選びましょう。

工期と臭いも比較する

早くベランダを使用したい場合は、比較的硬化が早いFRP防水が候補になります。

一方、ウレタン防水は乾燥工程が多く、天候によって工期が延びることがあります。

FRP防水では、使用する樹脂によって材料特有の臭いが気になることがあります。

施工期間中の窓開け、洗濯物、換気方法についても事前に確認しましょう。

無料で見積もりを比較したい方へ

ここまで読んで、「自宅にはFRP防水とウレタン防水のどちらが合うのだろう」と迷っている方も多いのではないでしょうか。

ベランダ防水は、同じ住宅でも業者によって、FRP防水、ウレタン防水、トップコートなど提案が異なることがあります。

外壁塗装と一緒に検討する場合は、1社だけで決めず、2〜3社の工法、下地補修、見積金額を比較しましょう。

▼ 外壁塗装と同時に比較しやすいサービスはこちら ▼

FRP防水の上にウレタン防水は施工できる?

既存のFRP防水が下地へ十分に接着しており、大きなひび割れや膨れがなければ、その上へウレタン防水を施工できる場合があります。

ただし、FRP表面は硬く滑らかなため、そのままウレタン防水材を塗っても十分に密着しない可能性があります。

一般的には、次の下地処理を行います。

  1. 既存FRPのひび割れ・浮きを確認する
  2. 汚れ・油分・劣化したトップコートを除去する
  3. 表面を研磨して密着性を確保する
  4. ひび割れや欠損を補修する
  5. 既存FRPとウレタンに適合するプライマーを塗る
  6. 必要な仕様でウレタン防水を施工する

既存FRPが下地から浮いている場合や、床が柔らかい場合は、その上へウレタンを重ねるだけでは直りません。

劣化部分を撤去し、下地を補修してから防水工法を選び直します。

ウレタン防水の上にFRP防水は施工できる?

既存のウレタン防水の上へ、FRP防水を直接施工する方法は、慎重な判断が必要です。

柔らかいウレタン防水の上へ硬いFRP防水を施工すると、下層と上層の動き方が異なり、ひび割れや剥離につながる可能性があります。

FRP防水へ変更する場合は、既存ウレタンを撤去し、FRP防水を安定して支えられる下地を作り直す方法が検討されます。

既存防水を残せるかどうかは、使用材料の適合性とメーカーの施工仕様を確認して判断してください。

どちらを選んでも下地補修が重要

FRP防水とウレタン防水のどちらを選んでも、下地に問題があれば長持ちしません。

防水工事前には、次の場所を確認します。

  • 床面のひび割れ・浮き・膨れ
  • 合板・下地材の腐食や変形
  • 排水口へ向かう床勾配
  • 排水口と防水層の接続
  • 外壁側の立ち上がり
  • サッシ下の防水処理
  • 手すり壁や笠木
  • 外壁との接合部分

下地が腐食した状態で防水層だけを新しくすると、床の動きによって早期にひび割れたり、剥がれたりする可能性があります。

雨漏りしている場合は、床面だけでなく、排水口、立ち上がり、サッシ、笠木なども含めて浸入口を調査しましょう。

トップコートの塗り替えで済む場合もある

既存のFRP防水やウレタン防水が健全で、表面のトップコートだけが劣化している場合は、防水層を作り直す必要がないこともあります。

次の状態なら、トップコートの塗り替えを検討できます。

  • 色あせや艶の低下が中心である
  • 軽いチョーキングがある
  • ひび割れが表面にとどまっている
  • 防水層に破れや欠損がない
  • 床面に膨れや浮きがない
  • 床を踏んでも柔らかくない
  • 雨漏りしていない

次の症状がある場合は、トップコートだけでは直りません。

  • FRPのガラス繊維が露出している
  • 深いひび割れがある
  • 防水層が膨れている
  • 下地が柔らかい
  • 排水口との境目に隙間がある
  • 下階へ雨漏りしている

FRP防水とウレタン防水の見積書で確認するポイント

確認項目チェックする内容
既存防水FRP・ウレタン・シートなどの種類
施工範囲床面・立ち上がり・排水口を含むか
施工面積床面と立ち上がりを分けて記載しているか
既存防水の扱い研磨・部分撤去・全面撤去のどれか
下地補修腐食・変形・勾配をどこまで補修するか
防水工法FRPかウレタンか、工法名を明記しているか
FRPの仕様ガラスマットの種類・積層数
ウレタンの仕様密着・通気緩衝のどちらか、材料使用量
使用材料メーカー名・正式な商品名
トップコート商品名・歩行仕様・塗布回数
排水口ドレン周辺の補修を含むか
室外機移動・持ち上げ・復旧費を含むか
追加工事発生条件・単価・承認方法
保証対象箇所・期間・免責条件

「ベランダ防水工事一式」とだけ書かれた見積書では、FRP防水とウレタン防水の施工内容を比較できません。

FRP防水の場合は、次の内容を確認してください。

  • ガラスマットの種類と積層数
  • 使用する樹脂の商品名
  • 下地の研磨・補修方法
  • トップコートの商品名

ウレタン防水の場合は、次の内容を確認します。

  • 密着工法か通気緩衝工法か
  • 通気緩衝シートや脱気部材を使うか
  • 防水材の商品名と予定使用量
  • 塗布回数と必要な膜厚
  • トップコートの商品名と仕様

工法名が同じでも、下地処理、材料、積層数、使用量が異なれば、費用と工事品質も変わります。

防水業者を選ぶポイント

FRP防水とウレタン防水のどちらを選ぶかは、価格だけでなく、現状を正しく診断できる業者へ相談することが重要です。

  • 既存の防水工法を確認している
  • 床面だけでなく立ち上がり・排水口も点検する
  • 下地の動き・腐食・水分を確認する
  • FRPとウレタンの両方を説明できる
  • 選んだ工法の理由を写真とともに説明する
  • 使用する材料の商品名を見積書へ記載する
  • メーカーの標準仕様を守る
  • 材料の使用量や積層数を説明できる
  • 工程ごとの施工写真を残してくれる
  • 追加工事前に写真と金額を提示する
  • 保証内容を書面で確認できる

既存防水や下地を確認せず、「FRPの方が強い」「ウレタンの方が安い」という理由だけで工法を勧める業者には注意しましょう。

2〜3社へ同じ範囲の点検を依頼し、提案する工法が異なる場合は、その理由を比較してください。

FRP防水とウレタン防水に関するよくある質問

FRP防水とウレタン防水はどちらが長持ちしますか?

一般的な耐用年数の目安では、FRP防水が10〜15年程度、ウレタン防水が10〜13年程度です。

ただし、工法だけで耐久性は決まりません。

下地、施工仕様、膜厚、トップコート、日当たり、使用方法によっては、ウレタン防水の方が長持ちする場合もあります。

戸建住宅のベランダにはどちらがおすすめですか?

小規模で一般的な形状の戸建住宅ベランダでは、FRP防水が候補になりやすいでしょう。

複雑な形状、広い床面、既存防水を生かした改修では、ウレタン防水が適していることがあります。

住宅の種類だけでなく、既存防水と下地の状態を確認して選んでください。

FRP防水とウレタン防水はどちらが安いですか?

ウレタン防水の密着工法は、FRP防水より安くなる場合があります。

通気緩衝工法や下地補修が必要な場合は、ウレタン防水の方が高くなることもあります。

㎡単価ではなく、既存防水の撤去、下地補修、排水口を含む総額で比較しましょう。

FRP防水は割れやすいですか?

FRP防水は硬く強度がありますが、下地の動きが大きいと、その動きへ追従できずひび割れる可能性があります。

下地の固定や継ぎ目処理が適切なら、戸建住宅のベランダへ使用できる耐久性のある工法です。

ウレタン防水は柔らかいので歩けませんか?

歩行に対応した仕様とトップコートを選べば、ベランダでも使用できます。

ただし、FRP防水より傷や摩耗の影響を受けやすい場合があるため、重い物や鋭い物を引きずらないようにしてください。

既存FRPの上へFRPを重ねられますか?

既存FRPが下地へ十分に接着し、ひび割れや膨れが小さければ、研磨や補修を行ったうえでFRPを重ねられる場合があります。

既存防水が広く浮いている場合や、下地が腐食している場合は、劣化部分の撤去が必要です。

既存FRPの上へウレタンを塗れますか?

既存FRPの状態がよく、表面研磨と適合プライマーを使用できれば、ウレタン防水を施工できる場合があります。

材料同士の相性とメーカー仕様を確認せず、直接塗るのは避けてください。

防水工事中はベランダを使用できますか?

防水工事中は、基本的にベランダを使用できません。

FRP防水は2〜4日程度、ウレタン防水は3〜7日程度が一つの目安です。

天候や下地の状態によって工期が延びるため、使用を再開できる日を業者へ確認してください。

トップコートは何年ごとに塗ればよいですか?

トップコートの商品、日当たり、歩行頻度などによって異なります。

一般的には3〜5年程度を一つの点検目安とし、色あせ、チョーキング、ひび割れ、剥がれがないか確認しましょう。

高耐久型製品では、さらに長い塗り替え時期が設定されている場合があります。

雨漏りしている場合はどちらを選べばよいですか?

雨漏りしている場合は、工法を選ぶ前に浸入口を調査します。

床面だけでなく、排水口、立ち上がり、サッシ下、笠木、外壁との接合部から雨水が入っている可能性があります。

雨水の浸入口と傷んだ下地を補修したうえで、FRPまたはウレタンの適切な工法を選びましょう。

防水工事に火災保険は使えますか?

経年劣化によるFRP防水やウレタン防水の補修は、一般的に火災保険の対象になりません。

台風や飛来物などの事故によって防水層が新たに破損した場合は、契約内容によって対象になる可能性があります。

補償対象かどうかを判断するのは、施工業者ではなく加入している保険会社です。

まとめ

FRP防水とウレタン防水は、使用する材料、防水層の硬さ、施工方法、向いている場所が異なります。

比較項目FRP防水ウレタン防水
費用相場6,000〜10,000円/㎡5,000〜11,000円/㎡
耐用年数目安10〜15年10〜13年
硬さ硬く強度が高い弾力があり比較的柔らかい
工期比較的短い乾燥工程が多く長くなりやすい
複雑な形状対応可能特に対応しやすい
主な注意点下地の動きによるひび割れ膜厚不足・下地水分による膨れ
向いている場所小規模な戸建住宅のベランダ複雑な形状・広い床・改修工事

FRP防水は、小規模で日常的に歩行する戸建住宅のベランダに向いています。

ウレタン防水は、複雑な形状、広い床面、既存防水を生かした改修、下地水分へ配慮する工事に向いています。

ただし、工法を選ぶ前に次の項目を確認することが重要です。

  • 既存の防水工法
  • 防水層のひび割れ・膨れ・剥がれ
  • 下地の動き・腐食・水分
  • 床面と立ち上がりの形状
  • 排水口・サッシ周辺の状態
  • 日常的な歩行や使用方法
  • 使用する材料の商品名と施工仕様
  • FRPの積層数やウレタンの使用量
  • トップコートと保証内容

同じベランダでも、業者によってFRP防水とウレタン防水の提案が分かれることがあります。

1社だけで決めず、2〜3社へ同じ範囲を点検してもらい、工法、下地補修、材料、費用、保証を比較しましょう。

おすすめの外壁塗装見積もりサービス

外壁塗装とベランダ防水を同じ時期に検討している場合は、外装工事全体の見積もりを比較すると、必要な工事範囲と総額を判断しやすくなります。

価格だけでなく、FRP防水とウレタン防水のどちらに対応できるか、下地補修や排水口の施工まで含まれているかを確認しましょう。

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