屋根葺き替えの費用相場はいくら?屋根材別の料金と工事内訳を解説

屋根葺き替えの費用相場と屋根材別の料金、工事内訳を解説するアイキャッチ画像 住宅メンテナンス

屋根の劣化や雨漏りを業者へ相談した際に、「部分修理や塗装ではなく、屋根全体の葺き替えが必要」と提案されることがあります。

葺き替えは既存の屋根材を撤去し、防水シートや野地板を確認したうえで、新しい屋根材へ交換する大規模な工事です。

屋根の表面だけを塗り替える塗装や、既存屋根の上に新しい屋根を重ねるカバー工法よりも、工事費は高くなる傾向があります。

項目目安・結論
一般的な費用相場110万〜250万円程度
スレートから金属屋根120万〜220万円程度
瓦から金属屋根150万〜280万円程度
瓦から新しい瓦180万〜300万円程度
金属屋根から金属屋根100万〜200万円程度
足場代15万〜30万円程度
工期1〜2週間程度
葺き替えが向く状態防水シートや野地板まで傷んでいる屋根

一般的な戸建住宅における屋根葺き替えの費用は、110万〜250万円程度が目安です。
瓦屋根の撤去や広範囲の下地補修が必要な場合は、300万円を超えることもあります。

実際の費用は、建物の坪数だけでは判断できません。

屋根面積、既存屋根材、新しく施工する屋根材、下地の劣化、屋根の形状、石綿含有建材の有無などによって変わります。

この記事では、屋根葺き替えの費用相場を屋根材別に整理し、工事費の内訳、カバー工法との違い、葺き替えを検討すべき症状、見積書の確認ポイントを解説します。

  1. 屋根の葺き替えとは?
  2. 屋根葺き替えの費用相場
    1. 住宅の坪数と屋根面積は同じではない
  3. 屋根材別に見る葺き替え費用
    1. スレートから金属屋根:120万〜220万円
    2. 瓦から金属屋根:150万〜280万円
    3. 瓦から新しい瓦:180万〜300万円
    4. 金属屋根から金属屋根:100万〜200万円
  4. 新しく施工する屋根材の種類と特徴
    1. 金属屋根
    2. スレート屋根
    3. 陶器瓦
    4. アスファルトシングル
  5. 屋根葺き替え費用の内訳
    1. 既存屋根材の撤去・処分費
    2. 野地板の補修・増し張り費
    3. 下葺材の施工費
    4. 棟・谷・軒先などの板金費
  6. 石綿を含む屋根材は費用が高くなる
  7. 屋根葺き替えのメリット
    1. 野地板や防水シートを直接確認できる
    2. 新しい防水シートへ交換できる
    3. 屋根の重量を軽くできる場合がある
    4. 屋根材の種類を変更できる
    5. 以前の補修跡や施工不良を確認できる
  8. 屋根葺き替えのデメリット
    1. カバー工法より費用が高い
    2. 撤去時に騒音や粉じんが発生する
    3. 工事期間が長くなりやすい
    4. 屋根を開けた後に追加費用が発生することがある
  9. 屋根の葺き替えが必要な症状
    1. 雨漏りが長期間続いている
    2. 屋根を踏むと沈む場所がある
    3. 屋根材全体に割れや欠けが広がっている
    4. すでにカバー工法を行っている
  10. 屋根塗装・カバー工法・葺き替えの違い
    1. 屋根塗装
    2. カバー工法
    3. 葺き替え
  11. 瓦屋根の葺き替えと葺き直しの違い
  12. 屋根葺き替えの工事期間と流れ
  13. 屋根葺き替え費用が高くなる原因
    1. 野地板や構造部分の劣化が広い
    2. 瓦や土の撤去量が多い
    3. 石綿含有屋根材への対応が必要
    4. 屋根の形が複雑である
    5. 急勾配で屋根足場が必要
    6. 天窓や太陽光パネルがある
  14. 屋根葺き替え費用を抑える方法
    1. 2〜3社へ同じ条件で見積もりを依頼する
    2. カバー工法と葺き替えの両方を比較する
    3. 外壁工事と同じ時期に行う
    4. 必要以上に高性能な屋根材を選ばない
    5. 自然災害による破損は火災保険を確認する
  15. 屋根葺き替えの見積書で確認するポイント
  16. 屋根葺き替え業者を選ぶポイント
  17. 屋根葺き替えの費用に関するよくある質問
    1. 30坪の住宅はいくらで葺き替えできますか?
    2. 屋根葺き替えには必ず足場が必要ですか?
    3. 葺き替えとカバー工法はどちらがよいですか?
    4. 屋根材だけを交換して野地板を残せますか?
    5. 屋根葺き替え中も家で生活できますか?
    6. 葺き替え工事後の保証は何年ですか?
    7. 古いスレート屋根は必ずアスベストを含みますか?
  18. まとめ

屋根の葺き替えとは?

屋根の葺き替え工事について、足場設置、既存屋根の撤去、野地板の確認・補修、下葺材と新しい屋根材の施工、板金仕上げまでの流れを示した画像

屋根の葺き替えとは、現在の屋根材を撤去し、必要に応じて下地を補修したうえで、新しい屋根材を施工する工事です。

一般的な葺き替え工事は、次の順番で進みます。

  1. 足場を設置する
  2. 既存の屋根材と板金を撤去する
  3. 廃材を分別して搬出する
  4. 野地板の状態を確認する
  5. 傷んだ野地板を交換・補強する
  6. 新しい下葺材を施工する
  7. 新しい屋根材を施工する
  8. 棟・谷・軒先などの板金を仕上げる
  9. 完成検査後に足場を撤去する

ケイミューの屋根リフォーム案内でも、葺き替えは既存屋根を撤去し、下地調整後に新しい下葺材と屋根材を施工する工法と説明されています。

既存屋根を撤去するため、野地板や防水シートの状態を直接確認できる点が、カバー工法との大きな違いです。

葺き替えは屋根材だけを交換する工事ではありません。防水シートや野地板を点検し、必要な部分を補修できることに大きな意味があります。

屋根葺き替えの費用相場

一般的な戸建住宅の屋根葺き替えは、総額110万〜250万円程度が目安です。

ただし、屋根面積が広い平屋や、撤去に手間がかかる瓦屋根、野地板の腐食が進んでいる住宅では、300万円を超えることがあります。

屋根面積葺き替え費用の目安
50〜60㎡100万〜180万円
70〜80㎡120万〜220万円
90〜100㎡150万〜260万円
110〜120㎡180万〜300万円以上

上記は、一般的な屋根材への交換と足場、既存屋根の撤去・処分を含めた目安です。

屋根の勾配や形状、下地補修の範囲によって金額は変わります。

住宅の坪数と屋根面積は同じではない

屋根工事の費用を調べると、「30坪の葺き替え費用」という表現をよく見かけます。

しかし、住宅の30坪は延床面積を指すことが多く、実際に施工する屋根面積とは一致しません。

同じ延床面積30坪でも、総2階建てと平屋では屋根面積が大きく異なります。

延床面積30坪の住宅例葺き替え費用の目安
総2階建て120万〜220万円程度
1階部分が広い2階建て140万〜250万円程度
平屋160万〜300万円以上

正確に比較するには、延床面積ではなく、見積書に記載された屋根面積を確認してください。

屋根材別に見る葺き替え費用

屋根の葺き替え費用を、スレート・金属屋根・瓦・セメント瓦から新しい屋根材へ交換する組み合わせ別に比較した画像

葺き替え費用は、撤去する屋根材と新しく施工する屋根材の組み合わせによって変わります。

葺き替えの組み合わせ費用相場
スレートから金属屋根120万〜220万円
スレートからスレート110万〜210万円
瓦から金属屋根150万〜280万円
瓦から新しい瓦180万〜300万円
金属屋根から金属屋根100万〜200万円
セメント瓦から金属屋根150万〜280万円

下地の状態や石綿への対応、屋根の大きさによっては、表の金額を超えることがあります。

スレートから金属屋根:120万〜220万円

既存のスレート屋根を撤去し、ガルバリウム鋼板などの金属屋根へ交換する方法です。

新しい屋根を軽量化しやすく、スレートの下にある防水シートや野地板も確認できます。

費用は120万〜220万円程度が目安ですが、古いスレートに石綿が含まれている場合は、撤去・運搬・処分費が高くなる可能性があります。

既存スレートの状態や下地に問題がなければ、葺き替えではなくカバー工法を選べる場合もあります。

瓦から金属屋根:150万〜280万円

既存の日本瓦や洋瓦を撤去し、軽量な金属屋根へ変更する工事です。

瓦はスレートや金属屋根より重量があり、撤去・搬出・処分に手間がかかります。

古い瓦屋根では、瓦の下に土を載せる土葺き工法が使われていることがあり、土の撤去や処分も必要です。

瓦から金属屋根へ変更する場合は、屋根が軽くなる一方、下地の調整や換気方法についても確認する必要があります。

瓦から新しい瓦:180万〜300万円

既存の瓦を撤去し、新しい瓦へ交換する工事です。

瓦の材料費に加え、瓦を固定する部材や棟部分の施工費が必要になります。

屋根の形が複雑な住宅や、棟の長さが長い住宅では費用が高くなりやすいです。

新しい瓦の重量が建物へ与える影響も含めて、施工会社へ確認しましょう。

金属屋根から金属屋根:100万〜200万円

トタンや古い金属屋根を撤去し、新しい金属屋根へ葺き替える工事です。

既存屋根材が比較的軽く、撤去しやすい場合は、瓦屋根より費用を抑えられることがあります。

ただし、錆によって穴が開いている場合や、長期間の雨漏りによって野地板まで腐食している場合は、下地補修費が加わります。

新しく施工する屋根材の種類と特徴

金属屋根・スレート・陶器瓦・軽量瓦・アスファルトシングルの素材感と施工例を比較した画像

葺き替えでは、既存屋根と同じ種類に交換するだけでなく、別の屋根材へ変更することもできます。

新しい屋根材主な特徴
金属屋根軽量で、葺き替えに使われることが多い
スレート比較的価格を抑えやすく、住宅で広く使用される
陶器瓦塗装を基本的に必要としないが、重量がある
軽量瓦瓦の意匠を保ちながら重量を抑えた製品がある
アスファルトシングル柔軟性があり、複雑な屋根形状にも対応しやすい

金属屋根

金属屋根は軽量で、既存の瓦やスレートからの葺き替えに使われることが多い屋根材です。

製品によって、表面塗膜、断熱材、遮熱性能、保証内容が異なります。

沿岸地域では、塩害に対応した製品かどうかも確認しましょう。

スレート屋根

スレートは比較的薄く、戸建住宅で広く使われている屋根材です。

初期費用を抑えやすい一方、表面塗膜の劣化に応じて塗装や補修が必要になることがあります。

新しい屋根材の商品名と、今後必要になるメンテナンスも確認してください。

陶器瓦

陶器瓦は、瓦表面の塗り替えを基本的に必要としない屋根材です。

ただし、瓦を固定する部材、棟、下葺材などは経年劣化します。

瓦本体の耐久性だけでなく、屋根全体の点検とメンテナンスが必要です。

アスファルトシングル

アスファルトシングルは、シート状の基材に石粒などを施した屋根材です。

柔軟性があり、複雑な屋根形状にも施工しやすい特徴があります。

一方、強風地域では製品に合った固定方法や施工条件を確認する必要があります。

屋根葺き替え費用の内訳

屋根葺き替え工事の費用内訳を、足場・撤去・廃材処分・下地補修・下葺材・新しい屋根材・板金・調査管理の工程ごとに示した写真風画像

葺き替えの見積もりには、新しい屋根材だけでなく、既存屋根の撤去や廃材処分、下地補修などが含まれます。

費用項目料金の目安
足場・飛散防止シート15万〜30万円
既存屋根材の撤去1,500〜5,000円/㎡程度
廃材の運搬・処分2,000〜5,000円/㎡程度
野地板の補修・増し張り2,000〜5,000円/㎡程度
新しい下葺材800〜1,800円/㎡程度
新しい屋根材・施工費5,000〜15,000円/㎡程度
棟・谷・軒先などの板金10万〜40万円程度
石綿の事前調査3万〜10万円程度
運搬・現場管理・諸経費5万〜20万円程度

業者によっては、撤去費と処分費、屋根材と施工費などをまとめて記載することがあります。

相見積もりでは、総額だけでなく、各項目に何が含まれているかを比較しましょう。

既存屋根材の撤去・処分費

葺き替えでは、既存の瓦、スレート、金属板などを屋根から下ろし、適切に運搬・処分します。

屋根材の種類や重量によって、撤去費用は異なります。

特に、土葺きの瓦屋根や石綿を含むスレート屋根は、撤去や処分に手間がかかりやすいです。

野地板の補修・増し張り費

野地板は、屋根材や下葺材を支える下地板です。

既存屋根を撤去した後、腐食、割れ、沈みなどがないか確認します。

状態が良ければそのまま利用できる場合もありますが、傷みがある場合は部分交換や合板の増し張りを行います。

見積もり段階では内部を完全に確認できないため、追加工事の単価と承認方法を事前に決めておきましょう。

下葺材の施工費

下葺材は、屋根材の隙間から入った雨水を建物内部へ通さず、軒先へ排出するための防水シートです。

完成すると見えなくなる部分ですが、屋根の防水性を支える重要な部材です。

見積書で、メーカー、商品名、施工範囲を確認してください。

棟・谷・軒先などの板金費

屋根の頂部、屋根面が交わる谷、軒先、外壁との接合部分などには、専用の板金や部材を施工します。

屋根の形が複雑になるほど、必要な部材や加工箇所が増えます。

「役物一式」とだけ記載されている場合は、施工する場所を説明してもらいましょう。

石綿を含む屋根材は費用が高くなる

築年数が経過したスレート屋根には、石綿を含む製品が使われている可能性があります。

石綿含有建材を撤去する場合は、飛散を防止しながら作業し、適切に梱包・運搬・処分しなければなりません。

そのため、石綿を含まない屋根材より撤去・処分費が高くなる傾向があります。

厚生労働省の石綿総合情報ポータルサイトでは、建築物の解体・改修工事について、規模にかかわらず工事前に対象材料の石綿含有の有無を調査する必要があると案内しています。

設計図書やメーカー資料だけで判断できない場合は、試料を採取して分析することがあります。

見積書では、次の内容を確認してください。

  • 事前調査を行う者の資格
  • 調査費用
  • 分析が必要になった場合の費用
  • 撤去時の飛散防止方法
  • 廃材の梱包・運搬・処分方法
  • 石綿が含まれていた場合の追加費用

古いスレート屋根だからといって、見た目だけで石綿の有無を断定することはできません。工事前の事前調査結果を確認しましょう。

屋根葺き替えのメリット

野地板や防水シートを直接確認できる

屋根葺き替え工事で既存屋根を撤去し、作業員が野地板や防水シートの劣化状態を直接確認している様子

葺き替えでは既存屋根を撤去するため、普段は見えない野地板や防水シートの状態を確認できます。

雨漏りや腐食が見つかった場合も、必要な範囲を補修してから新しい屋根を施工できます。

既存屋根を残すカバー工法にはないメリットです。

新しい防水シートへ交換できる

屋根材が大きく破損していなくても、下にある防水シートが劣化していることがあります。

葺き替えでは、新しい下葺材を屋根全体へ施工できます。

屋根材の表面だけを塗り替える工事より、屋根の防水構成を広く更新できます。

屋根の重量を軽くできる場合がある

重量のある瓦屋根を撤去し、軽量な金属屋根などへ交換すると、建物上部の重量を軽減できます。

ただし、屋根を軽くするだけで住宅全体の耐震性が必ず十分になるわけではありません。

耐震性に不安がある場合は、建物全体の耐震診断も検討してください。

屋根材の種類を変更できる

葺き替えでは、現在と異なる屋根材を選べる場合があります。

屋根を軽くしたい、今後の塗装回数を減らしたい、住宅の外観を変えたいなど、希望に合わせて検討できます。

ただし、屋根勾配や建物構造によって使用できない製品もあります。

以前の補修跡や施工不良を確認できる

屋根材を撤去すると、過去に行われた補修や、下葺材・板金の施工状態を確認できます。

何度補修しても雨漏りが再発している住宅では、表面だけでは分からなかった原因が見つかることがあります。

塗装職人
塗装職人

屋根塗装で保護できるのは、屋根材や下地が塗り替えに耐えられる状態の場合です。野地板や防水シートまで傷んでいる屋根は、塗装だけでは直せません。

屋根葺き替えのデメリット

カバー工法より費用が高い

カバー工法と屋根葺き替えの違いを比較した画像。カバー工法は既存屋根の上から施工して費用を抑えやすく、葺き替えは撤去や処分が必要で費用が高くなりやすいことを示している。

葺き替えでは、既存屋根の撤去・運搬・処分が必要です。

下地を直接確認できる反面、カバー工法より工程と人員が増えるため、費用は高くなりやすいです。

下地が健全な住宅では、カバー工法と葺き替えの両方で見積もりを取り、長期的な費用を比較しましょう。

撤去時に騒音や粉じんが発生する

既存屋根を外す際には、屋根材を剥がす音や廃材を運ぶ音が発生します。

石綿を含む可能性がある屋根材では、粉じんを抑えるための適切な作業も必要です。

工事前には、近隣への挨拶や作業時間について業者と相談しましょう。

工事期間が長くなりやすい

葺き替えは、既存屋根の撤去と下地確認があるため、カバー工法より工期が長くなる傾向があります。

一般的には1〜2週間程度ですが、天候や下地補修の範囲によってはさらにかかります。

屋根を開けた後に追加費用が発生することがある

野地板や垂木などの状態は、既存屋根を撤去して初めて詳しく確認できることがあります。

想定より腐食が広がっている場合は、下地補修費が追加されます。

追加工事が必要になったときは、写真、施工範囲、金額を確認し、承諾してから工事を進めてもらいましょう。

屋根の葺き替えが必要な症状

屋根の劣化がすべて葺き替えを必要とするわけではありません。

次のような状態では、部分補修や塗装だけでなく、葺き替えを検討します。

屋根の状態検討する対応
屋根材が数枚だけ割れている部分交換を検討する
塗膜だけが劣化している屋根塗装を検討する
屋根材全体が劣化し、下地は健全カバー工法を検討する
防水シートが広範囲で劣化している葺き替えを検討する
野地板が腐食・沈下している葺き替えと下地補修を検討する
雨漏りを何度も繰り返している下地を含めた調査を行う
すでにカバー工法を施工している次回は葺き替えを検討することが多い

雨漏りが長期間続いている

雨漏りが長く続くと、防水シートや野地板まで水分が到達している可能性があります。

屋根材の割れや板金だけを直しても、内部の防水層が傷んでいれば再発することがあります。

屋根裏の染みや木部の変色も含めて調査してもらいましょう。

屋根を踏むと沈む場所がある

屋根面に沈みやたわみがある場合は、野地板などの下地が傷んでいる可能性があります。

自分で屋根へ上って確認するのは危険です。

屋根裏や業者が撮影した写真・動画で状態を確認してください。

屋根材全体に割れや欠けが広がっている

屋根材1〜数枚の破損なら、部分交換で対応できる場合があります。

屋根全体に割れや反りが広がり、部分補修を繰り返している場合は、全面工事を検討する時期です。

すでにカバー工法を行っている

すでに屋根材が二重になっている住宅へ、さらに新しい屋根を重ねる方法は一般的ではありません。

次回の全面改修では、重なっている屋根材を撤去し、下地を確認して葺き替えることが多くなります。

屋根塗装・カバー工法・葺き替えの違い

屋根塗装・カバー工法・葺き替えの違いを比較した画像。費用相場の目安と、塗膜の劣化に適した屋根塗装、下地を活かせるカバー工法、野地板や防水シートまで傷んだ場合に適した葺き替えを分かりやすく示している。
工事方法費用相場適している状態
屋根塗装40万〜80万円屋根材と下地は健全で、塗膜が劣化している
カバー工法80万〜200万円屋根材は劣化しているが、下地を利用できる
葺き替え110万〜250万円以上防水シートや野地板まで傷んでいる

屋根塗装

屋根塗装は、スレートや金属屋根の表面を塗り替える工事です。

屋根材と下地が健全で、塗膜の色あせや防水性低下が主な問題である場合に検討します。

野地板や防水シートを交換する工事ではありません。

カバー工法

カバー工法は、既存屋根を残したまま、新しい下葺材と屋根材を重ねる工事です。

既存屋根の撤去費を抑えやすい一方、野地板全体を直接確認できません。

屋根材は劣化しているものの、下地が使用できる住宅に向いています。

葺き替え

葺き替えは、既存屋根を撤去し、防水シートや野地板を確認・補修してから、新しい屋根を施工する工事です。

費用は高くなりますが、屋根を下地から広く更新できます。

瓦屋根の葺き替えと葺き直しの違い

瓦屋根の葺き替えと葺き直しの違いを比較した画像。葺き替えは古い瓦を処分して新しい屋根材へ交換し、葺き直しは既存瓦を再利用しながら下地を補修する工事であることを示している。

瓦屋根では、葺き替えだけでなく「葺き直し」という工事もあります。

工事方法工事内容
葺き替え古い瓦を処分し、新しい屋根材を施工する
葺き直し既存瓦を一度外し、下地補修後に再利用する

既存瓦の状態が良く、再利用できる場合は、瓦本体を残して葺き直せることがあります。

瓦代を抑えられる可能性がありますが、瓦を外す作業や下地工事は必要です。

割れや欠けが多い場合や、同じ瓦を今後入手しにくい場合は、葺き替えの方が適していることがあります。

屋根葺き替えの工事期間と流れ

一般的な戸建住宅の葺き替え工事は、足場の設置から解体まで1〜2週間程度が目安です。

工程主な作業
現地調査屋根材・屋根裏・雨漏り・面積を確認する
足場設置足場と飛散防止シートを設置する
既存屋根撤去屋根材・棟・板金などを外す
下地調査野地板や構造部分の劣化を確認する
下地補修傷んだ野地板を交換・補強する
下葺材施工新しい防水シートを施工する
新規屋根施工新しい屋根材を固定する
板金施工棟・谷・軒先などを仕上げる
検査・清掃施工状態と周辺を確認する
足場解体足場を撤去して工事完了

雨や強風で作業できない日が続くと、工期が延びることがあります。

既存屋根を外した後に雨が降っても建物内部へ水が入らないよう、当日の養生方法も確認しておきましょう。

屋根葺き替え費用が高くなる原因

野地板や構造部分の劣化が広い

雨漏りを長期間放置していると、野地板だけでなく、垂木や周辺の木部まで傷んでいる場合があります。

構造部分まで補修する場合は、通常の葺き替え費用に追加工事費が必要です。

瓦や土の撤去量が多い

瓦屋根は屋根材が重く、撤去・搬出に人手がかかります。

土葺き屋根では、瓦の下にある土も撤去して処分しなければなりません。

搬出経路が狭い住宅では、さらに作業時間が増えることがあります。

石綿含有屋根材への対応が必要

石綿を含む屋根材では、通常の廃材とは異なる取り扱いが必要です。

事前調査、飛散防止、梱包、運搬、処分などの費用が加わります。

屋根の形が複雑である

寄棟や入母屋などは、切妻屋根より棟・谷・接合部分が多くなります。

屋根材や板金の加工量が増えるため、材料費と施工費が高くなる傾向があります。

急勾配で屋根足場が必要

傾斜の急な屋根では、通常の外部足場に加え、屋根面にも作業用足場を設置することがあります。

安全対策と作業時間が増えるため、追加費用が必要です。

天窓や太陽光パネルがある

天窓周辺では、専用の板金や防水処理が必要です。

太陽光パネルがある場合は、一時撤去と再設置、配線工事などが加わる可能性があります。

設備メーカーの保証に影響しないかも、事前に確認してください。

屋根葺き替え費用を抑える方法

2〜3社へ同じ条件で見積もりを依頼する

葺き替えでは、業者によって屋根面積、下地補修、屋根材の提案が異なることがあります。

各社へ同じ希望を伝え、次の条件を比較しましょう。

  • 施工する屋根面積
  • 撤去する既存屋根材
  • 新しい屋根材
  • 新しい下葺材
  • 野地板補修の範囲
  • 足場と屋根足場
  • 石綿の事前調査・処分
  • 付帯工事
  • 保証内容

見積もり総額だけでなく、屋根材や下葺材の商品名までそろえて比較することが大切です。

カバー工法と葺き替えの両方を比較する

下地が使用できる状態であれば、カバー工法の方が費用を抑えられる可能性があります。

ただし、費用だけを理由にカバー工法を選び、傷んだ下地を残すのは適切ではありません。

現地調査を行い、カバー工法で問題ない根拠を説明してもらいましょう。

外壁工事と同じ時期に行う

屋根の葺き替えと外壁塗装には、どちらも足場が必要になることがあります。

別々の時期に施工すると、足場代を2回負担する可能性があります。

外壁のメンテナンス時期も近い場合は、同時施工と別施工の見積もりを比較しましょう。

必要以上に高性能な屋根材を選ばない

高価格な屋根材が、すべての住宅に最適とは限りません。

地域の気候、塩害、積雪、今後住む年数、将来のメンテナンスを考えて選びましょう。

複数のグレードで見積もりを作成してもらうと、価格差と性能差を比較しやすくなります。

自然災害による破損は火災保険を確認する

台風、強風、雹、積雪などで屋根が破損し、その修理として葺き替えが必要になった場合は、契約内容によって火災保険の補償対象になる可能性があります。

ただし、経年劣化や通常の消耗を理由とする葺き替えは、一般的に補償対象になりません。

保険金が支払われるかを判断するのは修理業者ではなく、保険会社です。

日本損害保険協会も、保険金を使った住宅修理について、高額な手数料や違約金などのトラブルを注意喚起しています。

屋根葺き替えの見積書で確認するポイント

確認項目チェックする内容
屋根面積実測した施工面積が記載されているか
既存屋根の撤去屋根材・棟・下葺材などの範囲
廃材処分運搬・処分費まで含まれているか
石綿調査調査費・分析費・処分方法
野地板交換・増し張りする面積と単価
下葺材メーカー・商品名・施工範囲
新しい屋根材メーカー・商品名・色・数量
板金・役物棟・谷・軒先・ケラバなどの範囲
足場面積・単価・屋根足場の有無
付帯工事雨どい・破風・軒裏などを含むか
追加工事発生条件・単価・承認方法
保証材料保証と工事保証の対象・期間

「屋根葺き替え工事一式」としか書かれていない見積書では、使用する材料や工事範囲を比較できません。

特に、完成後に見えなくなる野地板と下葺材の内容を確認しましょう。

屋根葺き替え業者を選ぶポイント

葺き替えは高額で、下地や防水部分の施工品質が重要な工事です。

業者を選ぶ際は、次の点を確認してください。

  • 自宅と同じ屋根材の施工実績がある
  • 屋根裏や既存下地まで調査している
  • 葺き替えが必要な理由を写真で説明する
  • 部分修理やカバー工法では対応できない理由を説明する
  • 屋根材と下葺材の商品名を提示する
  • 工事中の下地写真を残してくれる
  • 石綿調査と撤去方法を説明できる
  • 追加工事前に確認と承諾を取る
  • 材料保証と工事保証を分けて説明する
  • 即日契約を迫らない

全面葺き替えだけを勧める業者ではなく、住宅の状態に応じて部分補修やカバー工法も比較してくれる業者が安心です。

屋根葺き替えの費用に関するよくある質問

30坪の住宅はいくらで葺き替えできますか?

一般的には120万〜250万円程度が一つの目安です。

ただし、30坪が延床面積なのか屋根面積なのかによって金額は大きく変わります。

平屋は同じ延床面積の2階建てより屋根面積が広くなりやすいため、費用も高くなる傾向があります。

屋根葺き替えには必ず足場が必要ですか?

一般的な戸建住宅の全面葺き替えでは、安全確保や廃材の落下防止のため、足場を設置する可能性が高いです。

急勾配の屋根では、外部足場に加えて屋根足場が必要になることもあります。

葺き替えとカバー工法はどちらがよいですか?

防水シートや野地板まで傷んでいる場合は、葺き替えが適しています。

既存屋根材は劣化していても下地が健全であれば、カバー工法を選べる可能性があります。

費用だけでなく、下地の状態と将来の撤去費まで比較して決めましょう。

屋根材だけを交換して野地板を残せますか?

野地板に腐食や大きな損傷がなければ、そのまま利用できる場合があります。

傷みがある場合は、部分交換や合板の増し張りを行います。

屋根を撤去した後の写真を見せてもらい、補修範囲を確認してください。

屋根葺き替え中も家で生活できますか?

一般的には、工事中も住宅内で生活できます。

ただし、撤去音や資材を固定する音が発生します。

屋根裏へ大量の粉じんが入る可能性がある場合や、建物内部の大規模補修を伴う場合は、業者へ生活上の注意点を確認しましょう。

葺き替え工事後の保証は何年ですか?

保証期間は、屋根材メーカーと施工業者によって異なります。

材料保証と工事保証は別のものであり、屋根材の変色保証が雨漏りまで保証するとは限りません。

保証対象、期間、免責事項、定期点検の条件を書面で確認しましょう。

古いスレート屋根は必ずアスベストを含みますか?

古いスレート屋根でも、すべての製品に石綿が含まれているわけではありません。

製造時期、メーカー、商品名などを調べ、必要に応じて分析によって確認します。

見た目だけで含有の有無を判断しないようにしましょう。

まとめ

屋根葺き替えの費用は、一般的な戸建住宅で110万〜250万円程度が目安です。

項目費用・判断の目安
一般的な葺き替え110万〜250万円程度
スレートから金属屋根120万〜220万円程度
瓦から金属屋根150万〜280万円程度
瓦から新しい瓦180万〜300万円程度
足場代15万〜30万円程度
工期1〜2週間程度
向いている状態防水シートや野地板まで傷んでいる

葺き替えはカバー工法より費用が高くなりますが、既存屋根を撤去して、野地板や防水シートを直接確認・補修できます。

見積もりを比較するときは、次の項目を確認しましょう。

  • 実際の屋根面積
  • 既存屋根材の撤去・処分範囲
  • 野地板の補修方法と追加単価
  • 新しい下葺材の商品名
  • 新しい屋根材の商品名と数量
  • 棟・谷・軒先などの施工範囲
  • 石綿の事前調査と処分費
  • 足場と付帯工事
  • 材料保証と工事保証

1社だけで全面葺き替えを決めず、2〜3社へ現地調査を依頼し、部分修理・カバー工法・葺き替えのどれが住宅に合っているか比較することが大切です。

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この記事を書いた人

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