庭木の枝が伸びてくると、「このくらいなら自分で切れるのでは?」と考える方も多いでしょう。
庭木の剪定は、地面に立ったまま安全に手が届く細い枝であれば、自分でできる場合があります。
ただし、剪定は枝を短くすればよい作業ではありません。
どの枝を残すか、どこで切るか、いつ剪定するかによって、その後の樹形や木の状態が変わります。
また、高くなりすぎた木や太く重い枝を無理に自分で切ろうとすると、転落や枝の落下による事故につながる危険があります。
この記事では、庭木を自分で剪定できる範囲、必要な道具、剪定時期、初心者が切る枝、枝を切る位置、基本的な剪定手順まで順番に解説します。
この記事で紹介するDIY剪定は、地面に立ったまま安全に届く範囲を前提としています。
脚立・はしご・木登りが必要な高所作業や、太く重い枝、電線付近の枝は専門業者への依頼を検討してください。
庭木の剪定は自分でできる?
庭木の剪定を自分でできるかは、木の高さだけではなく、枝の太さ・重さ・作業場所・周囲の状況を見て判断します。
| 庭木の状態 | DIYの目安 |
|---|---|
| 地上から手が届く細い枝 | DIYしやすい |
| 枯れた細枝 | DIYしやすい |
| 低い位置で混み合った枝 | DIYを検討できる |
| 剪定ばさみで無理なく切れない枝 | 慎重に判断 |
| 脚立・はしごが必要 | 業者を検討 |
| 太く重い枝 | 業者を検討 |
| 住宅・車・道路の上に伸びた枝 | 業者を検討 |
| 電線に近い枝 | 自分で切らない |
剪定は「届くかどうか」ではなく、安全に切って、安全に枝を地面へ下ろせるかまで考える必要があります。
庭木を剪定する前に知っておきたい基本
初心者が庭木を剪定するときは、最初から「きれいな形にしよう」と考えすぎない方が失敗を減らせます。
まずは、
- 枯れた枝
- 枝同士がぶつかっている部分
- 内側へ伸びて混み合っている枝
- 道路や通路へ大きく飛び出した枝
など、明らかに整理する理由がある枝から少しずつ切るのが基本です。
一度に大量の枝を切ると元に戻せないため、剪定途中で何度も木全体を確認しましょう。
庭木の剪定に必要な道具

剪定する枝の太さや庭木の種類によって必要な道具は変わります。
| 道具 | 主な用途 |
|---|---|
| 剪定ばさみ | 細い枝を1本ずつ切る |
| 剪定のこぎり | 剪定ばさみでは無理なく切れない枝 |
| 刈込ばさみ | 生垣などの表面を整える |
| 高枝切りばさみ | 地上から安全に操作できる範囲の枝 |
| 作業用手袋 | 手を枝やトゲから守る |
| 保護メガネ | 細枝・木くずから目を守る |
| 長袖・長ズボン | 枝や虫から肌を守る |
初心者の場合は、最初から多くの電動工具をそろえる必要はありません。
地上から剪定できる小さな庭木なら、剪定ばさみ・剪定のこぎり・手袋など基本的な道具から始められます。
電動のこぎり・電動剪定ばさみは必要?
ホームセンターでは、電動剪定ばさみ、電動のこぎり、トリマーなども販売されています。
大量の枝を処理する場合には便利ですが、電動工具なら太い枝も初心者が安全に切れるという意味ではありません。
枝が太くなるほど、切った瞬間に枝が落ちる方向や重量も問題になります。
電動工具を使用する場合も、使用機種の取扱説明書を確認し、地上から安定した姿勢で安全に扱える範囲に限定しましょう。
庭木の剪定時期一覧|いつ切ればいい?
庭木の剪定時期は樹種によって異なります。
そのため、次の表はあくまで大まかな考え方として利用し、実際には育てている木の樹種を確認してください。
| 庭木のタイプ | 剪定時期の考え方 |
|---|---|
| 落葉樹 | 落葉後の休眠期に剪定しやすい樹種が多い |
| 常緑広葉樹 | 厳寒期を避け、春〜初夏などに整える樹種が多い |
| 針葉樹 | 春〜初夏などに軽く整えることが多いが、強剪定に弱い樹種もある |
| 春に花が咲く花木 | 花後に剪定する樹種が多い |
| 夏〜秋に花が咲く花木 | 休眠期などに剪定できる樹種もある |
特に花木は、花芽を付ける時期を間違えて剪定すると、翌年の花まで切り落としてしまうことがあります。
「庭木は○月に切ればよい」と一律には決められません。
シマトネリコ、キンモクセイ、オリーブ、梅など、樹種ごとに適した剪定時期を確認してください。
【図解あり】初心者がまず剪定する枝

初心者が庭木を剪定するときは、木の外側を何となく丸く切るのではなく、「なぜこの枝を切るのか」を考えながら、不要な枝を1本ずつ見つけることが大切です。
庭木には、外側へ自然に伸びる枝だけでなく、木の内側へ伸びる枝、ほかの枝と交差する枝、極端に上へ伸びる枝などが混ざっています。
こうした枝が増えると、木の内側が混み合い、風通しや日当たりが悪くなったり、枝同士がこすれたりすることがあります。
ただし、図解にある枝をすべて一度に切る必要はありません。
特に初心者は、まず枯れ枝や明らかに交差している枝など、判断しやすいものから少しずつ整理するのがおすすめです。
枯れ枝
枯れて葉が付かなくなった枝は、剪定するときに最初に確認したい枝です。
生きている枝と比べて色が変わっていたり、細い枝先が乾燥していたりする場合があります。
枯れ枝を残していると、強風などで折れて落下することもあります。また、枝が混み合っている木では、枯れ枝を取り除くだけでも樹冠の中がすっきりします。
ただし、高い位置にある大きな枯れ枝は自分で無理に処理しないでください。
枯れた枝は見た目以上にもろくなっていることがあり、作業中に想定外の場所から折れる可能性があります。地上から安全に届かない枝や、落下すると住宅・車などに当たりそうな枝は、業者への依頼を検討しましょう。
内向枝
内向枝は、木の外側へ向かうのではなく、幹や樹冠の中心方向へ伸びている枝です。
内側へ伸びる枝が増えると、ほかの枝と重なったり交差したりして、木の中心部分が混み合いやすくなります。
その結果、日光が入りにくくなったり、風が通りにくくなったりすることがあります。
初心者の場合は、「内側へ伸びているから全部切る」と考える必要はありません。
木全体を見ながら、ほかの枝とぶつかっているものや、明らかに樹冠の中をふさいでいるものから整理すると判断しやすくなります。
交差している枝
交差枝は、2本以上の枝が交差したり、接触したりしている状態です。
枝同士が触れていると、風で揺れたときに何度もこすれ合うことがあります。そのため、混み合った部分を整理する候補になります。
ただし、交差している2本を両方切るのではなく、次のような点を見ながら、どちらを残すか考えます。
- どちらが自然な方向へ伸びているか
- どちらを残した方が樹形が整うか
- どちらが太く健康そうか
初心者が迷った場合は、無理にその場で決める必要はありません。一度木から離れて、全体の形を確認してから判断しましょう。
真上へ強く伸びる枝
樹冠の中から、周囲の枝よりも勢いよく真上へ伸びている枝も、剪定するときに確認したい枝です。
このような枝が何本も伸びると、木の上部だけが大きくなったり、枝同士が混み合ったりして、樹形が乱れることがあります。
特に、以前強く切った場所などから、細長い枝が複数伸びてくることもあります。
ただし、上向きの枝がすべて不要なわけではありません。今後の樹形を作るために残した方がよい枝もあります。
初心者は、周囲から極端に飛び出している枝や、ほかの枝と競合して混み合っているものを中心に確認するとよいでしょう。
下向き・垂れすぎている枝
枝から下方向へ伸びていたり、地面近くまで大きく垂れていたりする枝も整理する候補になります。
例えば、次のような枝です。
- 人が通る場所をふさいでいる
- 駐車スペースへ垂れている
- 地面やほかの植物へ触れている
- ほかの枝と重なっている
特に庭や玄関まわりでは、枝が低く垂れていると、歩くときに顔や体へ当たることがあります。
ただし、枝が自然に垂れる樹形の庭木もあるため、「下向きだから切る」のではなく、その木本来の形と生活上の邪魔になっているかを見て判断することが大切です。
初心者は「全部切る」のではなく優先順位をつける
剪定では、「不要枝」という言葉を見ると、該当する枝をすべて切りたくなるかもしれません。
しかし、枝の呼び方や剪定方法は樹種によって異なり、同じように見える枝でも残した方がよい場合があります。
初心者は、最初から完璧な樹形を作ろうとせず、次のような順番で判断しやすいところから確認すると進めやすくなります。
- 枯れ枝
- 明らかに交差している枝
- 強く混み合っている枝
- 通路などの邪魔になっている枝
数本切ったら一度作業を止め、木から離れて全体を確認しましょう。
剪定は「どれだけ切ったか」ではなく、必要な枝を残しながら木全体を整えることが重要です。
判断に迷う枝は無理に切らず、一度残しておく方法もあります。
庭木はどこを切る?枝を切る位置の基本
剪定で初心者が迷いやすいのが、「枝のどこにハサミを入れるか」です。
枝を根元から整理するとき
不要な枝を根元から取り除く場合は、幹や太い枝との付け根を確認します。
枝の付け根には少し膨らんだ部分があり、これを必要以上に深くえぐるように切らないことが基本です。
逆に、長い枝の切り残しを残しすぎるのも避けます。
枝を短くするとき
枝全体を取り除かず短くしたい場合は、今後伸ばしたい方向にある枝分かれや芽の位置を見て切ります。
枝の途中を何となく同じ高さでぶつ切りすると、そこから細い枝が多数伸びて樹形が乱れることがあります。
太く重い枝では、切断途中に枝が裂けたり、予想外の方向へ落ちたりする危険があります。
地上から安全に処理できない太枝については、自分で切断方法を試さず業者へ依頼しましょう。
庭木を自分で剪定する基本手順
ここでは、地面に立ったまま手が届く比較的小さな庭木を想定して、基本的な剪定の流れを紹介します。
STEP1|木から少し離れて全体を見る
いきなり枝を切らず、まず木全体を確認します。
- どこが混み合っているか
- どちらへ枝が伸びているか
- 道路や建物へ出ている枝はないか
- 枯れ枝はないか
を確認しましょう。
STEP2|枯れ枝・明らかに不要な枝を確認する
枯れ枝、交差して強くこすれている枝など、比較的判断しやすい部分から確認します。
STEP3|混み合っている枝を少しずつ整理する
木の内側へ向かっている枝や、枝同士が重なっている場所を見ながら整理します。
一気に何本も切らず、1本切るごとに全体を確認しましょう。
STEP4|樹形を見ながら長すぎる枝を調整する
飛び出している枝を短くする場合も、木の外形だけを見て一直線に切るのではなく、枝分かれの位置を確認します。
STEP5|一度離れて木全体を確認する
数本切ったら作業を止め、木から離れて見ます。
近くで見ていると切りすぎに気づきにくいため、初心者ほどこの確認が重要です。
STEP6|切った枝を片付ける
剪定後は、枝を自治体のルールなどに従って処分します。
大量に剪定すると、切る作業以上に枝の運搬・処分が大変になることもあります。
太い枝を自分で切るときは特に注意する
枝が太くなるほど、剪定ばさみでは切れなくなり、剪定のこぎりなどが必要になります。
しかし、重要なのは道具よりも枝の重量と落下方向です。
切った枝が、
- 自分の体へ落ちる
- 住宅へ当たる
- 車へ当たる
- フェンスを壊す
- 道路へ落ちる
可能性があるなら、DIYする範囲を超えています。
剪定ばさみでは無理なく切れない枝=必ず自分でのこぎりを使うという考え方はしないようにしましょう。
高くなりすぎた木は自分で剪定しない方がよい場合もある
「高くなりすぎた庭木を自分で小さくしたい」という方もいるでしょう。
ただし、高木の剪定は低い庭木とは別の作業です。
次のような場合は専門業者へ依頼することをおすすめします。
- 脚立・はしごが必要
- 木へ登らなければ届かない
- 切る枝が太く重い
- 電線が近い
- 住宅・車の上に枝がある
- 道路側へ枝が伸びている
- 枯れ枝が多い
- 切った枝の落下場所を確保できない
高枝切りばさみがあっても、切った枝が安全に落ちるとは限りません。
道具が届くことと、安全に作業できることは別と考えましょう。
庭木剪定で初心者がやりがちな失敗
一度に切りすぎる
剪定を始めると、もっとすっきりさせたくなり、次々と枝を切ってしまうことがあります。
切った枝は元に戻せません。
初心者は「少し物足りない」と感じるくらいで一度止め、木全体を確認するくらいが安全です。
枝の途中を同じ高さでぶつ切りする
木の外側だけをそろえるように切ると、樹種によっては切り口付近から細い枝が多数伸びることがあります。
自然な樹形を保ちたい場合は、枝分かれや芽の位置を確認します。
剪定時期を確認せず切る
花芽を付けている時期に剪定すると、翌年咲く予定の花まで切ってしまう場合があります。
樹種が分からない場合は、剪定前に木の種類を確認しましょう。
太い枝を無理に剪定ばさみで切る
剪定ばさみを無理にこじると、道具の破損や手のけがにつながります。
道具の対応径を確認し、無理なく切れない枝は別の方法または業者を検討してください。
脚立に乗って遠くの枝へ手を伸ばす
枝を切ることに集中すると、足元のバランスを崩しやすくなります。
高い場所に届かせるために脚立から身を乗り出す剪定は避けましょう。
庭木の剪定を自分でできない場合はどこに頼む?
庭木剪定は、植木屋・造園業者・庭の手入れ業者などへ依頼できます。
業者へ依頼するメリットは、単に高い枝を切ってもらえることだけではありません。
- 樹種に合わせて剪定できる
- 樹形を整えやすい
- 高所・太枝へ対応できる
- 大量の剪定枝を処分してもらえる場合がある
- 病害虫などの状態も相談できる
といったメリットがあります。
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DIYと業者へ剪定を頼む場合を比較
| 比較 | DIY | 業者 |
|---|---|---|
| 費用 | 道具代中心 | 剪定費が必要 |
| 低い細枝 | 対応しやすい | 対応可能 |
| 高い木 | 非推奨 | 対応しやすい |
| 太い枝 | 難易度が高い | 任せやすい |
| 樹形 | 経験による | 専門的に整えやすい |
| 枝の処分 | 自分で行う | 依頼できる場合がある |
庭木剪定の詳しい料金相場については、次の記事で紹介しています。
庭木剪定に関するよくある質問
庭木はどこを切ればいいですか?
まずは枯れ枝、交差している枝、内側へ伸びて混み合っている枝などから確認します。
不要な枝を根元から整理するときは、枝の付け根を必要以上に深く傷つけないことが基本です。
庭木の剪定は何月にすればいいですか?
樹種によって異なります。
落葉樹は休眠期に剪定しやすいものが多く、常緑樹は厳寒期を避けることが多いなど大まかな傾向はありますが、最終的には庭木の種類を確認してください。
高くなりすぎた木を自分で剪定できますか?
地上から届かず脚立・はしごや木登りが必要になる場合は、業者へ依頼することをおすすめします。
切ることができても、太い枝を安全に地面へ下ろせない場合はDIY向きではありません。
電動のこぎりがあれば太い枝も自分で切れますか?
電動工具があっても、枝の重量や落下方向の問題はなくなりません。
住宅・車・道路などへ落ちる可能性がある太枝は業者へ任せる方が安全です。
剪定ばさみとのこぎりはどう使い分けますか?
細い枝には剪定ばさみ、剪定ばさみでは無理なく切れない枝には剪定のこぎりが使われます。
ただし枝が太く重くなるほどDIYの難易度も高くなるため、道具だけで判断しないようにしましょう。
庭木剪定はホームセンターでも頼めますか?
店舗や地域によっては庭木剪定などのサービスを案内しているホームセンターもあります。
サービス内容や料金は変わるため、利用する店舗の最新情報を確認してください。
まとめ|庭木剪定は低い枝から少しずつ始める
庭木の剪定は、地面に立ったまま安全に手が届く小さな枝であれば、初心者でも自分でできる場合があります。
庭木DIY剪定のポイント
- 最初に木全体を見る
- 枯れ枝や交差枝など判断しやすい枝から確認する
- 一度に大量の枝を切らない
- 剪定時期は樹種ごとに確認する
- 枝の途中を何となくぶつ切りしない
- 数本切ったら一度離れて樹形を確認する
- 脚立・はしごが必要な高木は業者を検討する
- 太く重い枝や電線付近は自分で切らない
初心者の場合は、きれいに仕上げようと一度に多くの枝を切るより、安全に届く枝を少しずつ整理することから始めるのがおすすめです。
木が高くなりすぎている、太い枝が多い、樹形を大きく作り直したいといった場合は、植木屋や庭の手入れ業者へ相談しましょう。
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庭木の剪定や伐採は、木の高さや枝の太さによっては危険を伴います。
脚立や刃物を使う作業に不安がある場合や、庭全体をまとめて整えたい場合は、専門業者へ相談する方法があります。
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この記事を書いた人
地方生活サポートハウス編集部
地方暮らしや住宅メンテナンス、
空き家管理に関する情報を発信しています。
実体験や専門家監修をもとに、
分かりやすい情報提供を心がけています。




