屋根の劣化が進み、塗装では対応できないと言われると、カバー工法を提案されることがあります。
カバー工法は、既存の屋根材を大きく撤去せず、その上に新しい下葺材と屋根材を重ねる工事です。
葺き替えより撤去する屋根材が少ないため、工期や廃材処分費を抑えやすい一方、屋根の下地が広範囲に傷んでいる住宅には適していません。
| 項目 | 目安・結論 |
|---|---|
| 一般的な費用 | 80万〜200万円程度 |
| 屋根面積60㎡ | 80万〜130万円程度 |
| 屋根面積80㎡ | 100万〜160万円程度 |
| 屋根面積100㎡ | 120万〜190万円程度 |
| 足場代 | 15万〜30万円程度 |
| 工期 | 1〜2週間程度 |
| 向いている屋根 | 下地が健全なスレート・平板状の金属屋根 |
| 向いていない屋根 | 瓦屋根・下地が腐食した屋根・すでに重ね葺き済みの屋根 |
一般的な戸建住宅の屋根カバー工法は、80万〜200万円程度が目安です。
ただし、同じ30坪の住宅でも、平屋と2階建てでは屋根面積が異なるため、費用も大きく変わります。
屋根材の下にある野地板が腐食していたり、雨漏りが長期間続いていたりする場合は、既存屋根を撤去する葺き替えが必要になることがあります。
また、カバー工法は既存屋根を残すため、工事前の下地調査が重要です。
この記事では、屋根カバー工法の費用相場と内訳、メリット・デメリット、向いている住宅、塗装や葺き替えとの違いを解説します。
屋根カバー工法とは?

屋根カバー工法とは、現在の屋根材を残したまま、その上に新しい屋根を重ねるリフォーム方法です。
「重ね葺き」と呼ばれることもあります。
一般的な金属屋根のカバー工法では、次の順番で施工します。
- 既存屋根の状態を点検する
- 棟板金や雪止めなどを撤去する
- 割れや浮きなどを調整する
- 新しい下葺材を敷く
- 軽量な金属屋根材を施工する
- 棟板金・軒先・ケラバなどを仕上げる
この記事では、既存屋根の上に新しい下葺材と金属屋根材を施工する、一般的な重ね葺きをカバー工法として解説します。
ケイミューの屋根リフォーム案内でも、カバー工法は既存屋根の上に新しい屋根材を重ねる方法と説明されています。
同社は、屋根材が経年劣化していても下地までは傷んでおらず、既存屋根がスレートのような平板である場合に向くと案内しています。
一方、凹凸と厚みがある瓦屋根には、一般的なカバー工法を施工できません。
カバー工法は、傷んだ屋根をそのまま隠す工事ではありません。
既存屋根と下地の状態を確認し、重ねても問題がないと判断できる場合に選ぶ工法です。
屋根カバー工法の費用相場
屋根カバー工法の総額は、一般的な戸建住宅で80万〜200万円程度が目安です。
費用は延床面積ではなく、実際に施工する屋根面積を基準に計算されます。
| 屋根面積 | 総額の目安 |
|---|---|
| 50〜60㎡ | 80万〜130万円 |
| 70〜80㎡ | 100万〜160万円 |
| 90〜100㎡ | 120万〜190万円 |
| 110〜120㎡ | 140万〜220万円 |
上記は、一般的な金属屋根材と足場を使用する場合の目安です。
次の条件がある場合は、表より高くなる可能性があります。
- 屋根の形が複雑である
- 勾配が急で屋根足場が必要である
- 谷・下屋・天窓などが多い
- 下地の補強が必要である
- 断熱材付きなど高性能な屋根材を選ぶ
- 太陽光パネルの脱着が必要である
- 積雪地域用の部材や施工が必要である
30坪の住宅でも費用が異なる
屋根工事では、「30坪の住宅ならいくら」と説明されることがあります。
しかし、住宅の30坪は延床面積を指していることが多く、屋根面積とは一致しません。
例えば、延床面積30坪の総2階建て住宅は、1階部分の面積が小さいため、屋根面積が60〜80㎡程度に収まることがあります。
一方、同じ延床面積30坪の平屋は、建物全体を屋根で覆うため、屋根面積が100㎡を超える場合があります。
| 延床面積30坪の例 | 費用の目安 |
|---|---|
| 総2階建て | 100万〜160万円程度 |
| 1階部分が広い2階建て | 110万〜180万円程度 |
| 平屋 | 120万〜200万円以上 |
建物の坪数だけで判断せず、見積書に記載された屋根面積を確認しましょう。
屋根カバー工法の費用内訳

カバー工法の見積もりには、新しい屋根材だけでなく、下葺材や板金、足場などの費用が含まれます。
| 費用項目 | 料金の目安 |
|---|---|
| 新しい屋根材・施工費 | 6,000〜12,000円/㎡程度 |
| 下葺材 | 800〜1,500円/㎡程度 |
| 既存棟板金・雪止めなどの撤去 | 5万〜15万円程度 |
| 棟・軒先・ケラバ・谷などの板金 | 10万〜30万円程度 |
| 下地調整・部分補強 | 5万〜30万円以上 |
| 足場・飛散防止シート | 15万〜30万円程度 |
| 運搬・諸経費 | 5万〜15万円程度 |
見積書によっては、屋根材の施工単価に下葺材や役物が含まれている場合があります。
各社の見積もりを比較するときは、総額だけでなく、どこまで含まれているかを確認してください。
新しい屋根材の種類で費用が変わる
カバー工法には、軽量な金属屋根材が使われることが多くあります。
同じ金属屋根でも、次の違いによって価格が変わります。
- 鋼板の種類と厚み
- 表面塗膜のグレード
- 断熱材の有無
- 遮熱性能
- 表面に石粒などの仕上げがあるか
- メーカー保証の内容
価格が高い製品がすべての住宅に必要とは限りません。
沿岸地域、積雪地域、日当たりの強い地域など、住宅が建っている環境に合った屋根材を選びましょう。
下葺材の種類も確認する
下葺材は、新しい屋根材の下へ敷く防水用のシートです。
屋根材の隙間から入った雨水を、建物内部へ通さず軒先へ排出する役割があります。
完成後には見えなくなるため、見積書で次の項目を確認してください。
- 下葺材のメーカーと商品名
- 施工する範囲
- 重ね幅や接合部分の処理
- 粘着式か釘・タッカーで固定するタイプか
- 天窓・谷・外壁との接合部分の施工方法
見積書に「防水シート一式」としか書かれていない場合は、使用する製品を確認しましょう。
屋根カバー工法のメリット
既存屋根の撤去費を抑えやすい
カバー工法では、既存屋根材を大きく撤去しません。
棟板金や雪止めなど一部の部材は外しますが、屋根材本体は基本的に残します。
そのため、既存屋根をすべて撤去する葺き替えと比べて、次の費用を抑えやすくなります。
- 屋根材の解体費
- 廃材の運搬費
- 廃材処分費
- 解体にかかる人件費
ただし、下地補強や太陽光パネルの脱着が必要になる場合は、葺き替えとの差が小さくなることもあります。
葺き替えより工期を短縮しやすい
既存屋根の解体作業が少ないため、葺き替えより工期を短縮しやすいのもメリットです。
一般的な戸建住宅では、足場の設置から解体まで1〜2週間程度が目安になります。
ただし、雨や強風で作業できない日が続くと、工期が延びることがあります。
新しい下葺材を施工できる
一般的な重ね葺きでは、既存屋根の上に新しい下葺材を敷きます。
その上から新しい屋根材を施工するため、屋根表面だけを塗り替える工事とは異なり、新しい防水層を追加できます。
ただし、既存の野地板や構造部分の傷みを直すものではありません。
下地が腐食している場合は、カバー工法ではなく葺き替えを検討する必要があります。
屋根の断熱性や遮音性が変わる場合がある
既存屋根の上に新しい屋根材が重なるため、屋根が二重になります。
断熱材付きの金属屋根材などを選ぶことで、断熱性や雨音の感じ方が変わる可能性があります。
ただし、室内環境は屋根材だけでなく、天井断熱、屋根裏換気、窓、建物の気密性などにも左右されます。
「カバー工法をすれば必ず夏が涼しくなる」とは限らないため、製品の性能と住宅全体の断熱状況を確認しましょう。
解体時の騒音や粉じんを抑えやすい
既存屋根を全面撤去しないため、葺き替えと比べて解体時の騒音や粉じんを抑えやすくなります。
工事中も基本的には住宅内で生活できます。
ただし、金属屋根を加工・固定する音や、足場を組み立てる音は発生します。
石綿を含む屋根材の撤去量を抑えられる場合がある
古いスレート屋根には、石綿を含む製品が使われている可能性があります。
カバー工法は既存屋根材を残すため、屋根材を全面撤去する葺き替えより、撤去する量を抑えられる場合があります。
ただし、カバー工法であれば石綿への対応が一切不要になるわけではありません。
厚生労働省の石綿総合情報ポータルサイトでは、住宅を含む建築物の解体・改修工事において、石綿の事前調査が適切に行われるよう発注者にも配慮が求められると案内しています。
屋根材へ穴を開けたり一部を切断したりする場合は、含有状況に応じた適切な施工が必要です。
「カバー工法ならアスベスト調査も対策も不要」と説明する業者には注意してください。見積書で事前調査費と施工方法を確認しましょう。
屋根カバー工法のデメリット
屋根の重量が増える
既存屋根を残したまま新しい屋根材を重ねるため、屋根全体の重量は増えます。
カバー工法では軽量な金属屋根材を使うことが多いものの、重量が増えないわけではありません。
建物の構造や劣化状況、積雪量などによっては、カバー工法が適さない可能性があります。
特に、古い住宅や耐震性に不安がある住宅では、建物への荷重について説明を受けましょう。
既存の下地をすべて確認できない
カバー工法では、既存屋根材を全面撤去しないため、野地板全体を直接確認できません。
屋根裏からの点検や歩行時の沈み、含水状態などを確認できますが、屋根を開けなければ分からない劣化もあります。
雨漏りが長く続いている場合や、屋根を踏むと沈む場所がある場合は、葺き替えの方が適している可能性があります。
施工できる屋根が限られる

一般的なカバー工法は、スレートや平らな金属屋根などに施工します。
次のような屋根は、施工できないか、慎重な判断が必要です。
- 日本瓦や洋瓦など厚みのある屋根
- 野地板が広範囲で腐食している屋根
- すでにカバー工法を行っている屋根
- 屋根材の凹凸や変形が大きい屋根
- 勾配が使用する屋根材の条件に合わない屋根
- 建物の構造上、重量増加が適さない住宅
次回のリフォーム費用が高くなる可能性がある
カバー工法を行うと、屋根材が二重になります。
将来さらに屋根を改修するときは、既存屋根とカバーした屋根の両方を撤去する必要が生じる可能性があります。
一般的に、何度も屋根を重ねる方法は選びにくいため、次回は葺き替えになることが多いでしょう。
今回の費用だけでなく、将来の撤去・処分まで考えて工法を選ぶことが大切です。
施工不良があると内部を確認しにくい

下葺材の重ね方や板金の納まり、固定方法に問題があると、カバー工法後でも雨漏りすることがあります。
屋根が二重になっているため、雨水の浸入口や経路を特定しにくくなる場合があります。
特に、次の部分は施工品質が重要です。
- 棟板金
- 谷板金
- 軒先とケラバ
- 天窓周辺
- 外壁との取り合い
- 換気棟や配管の周辺
太陽光パネルの脱着費がかかる場合がある
太陽光パネルが設置されている屋根では、カバー工法の前にパネルを一時撤去することがあります。
工事後に再設置する場合は、脱着費や電気工事費が加わります。
また、パネルや架台のメーカー保証へ影響しないかも確認が必要です。
屋根カバー工法に向いている住宅
| 住宅・屋根の状態 | 判断 |
|---|---|
| スレート屋根が全体的に劣化している | カバー工法を検討しやすい |
| 塗装できないほど割れや剥がれが多い | カバー工法または葺き替えを比較する |
| 野地板や構造部分は使用できる | カバー工法に向いている |
| 撤去費や工期を抑えたい | カバー工法を検討できる |
| 瓦屋根である | 一般的なカバー工法には不向き |
| 屋根を踏むと沈む場所がある | 葺き替えを検討する |
| 雨漏りが長期間続いている | 下地調査後に工法を判断する |
| すでにカバー工法を行っている | 葺き替えを検討することが多い |
スレート屋根全体が劣化している
スレート屋根に広範囲の割れや反り、表面の剥離がある場合は、塗装だけでは保護できないことがあります。
屋根材本体は劣化していても、野地板が使用できる状態なら、カバー工法が候補になります。
下地に大きな腐食がない
カバー工法で特に重要なのが、屋根を固定する下地の状態です。
野地板が腐食していると、新しい屋根材を固定するビスが十分に効かない可能性があります。
見積もり前に、屋根裏、軒裏、既存屋根の沈み、雨染みなどを確認してもらいましょう。
既存屋根の撤去を抑えたい
工事中の騒音や粉じん、廃材の量を抑えたい住宅にも、カバー工法が選ばれることがあります。
ただし、撤去しないことだけを優先して、傷んだ下地を残すのは避けなければなりません。
屋根カバー工法に向いていない住宅
野地板や構造部分まで傷んでいる
雨漏りによって野地板が広範囲に腐食している場合は、既存屋根を残したままでは十分に補修できません。
屋根材を撤去し、防水シートや野地板を交換できる葺き替えを検討します。
瓦屋根である
日本瓦や洋瓦は厚みと凹凸が大きいため、その上へ一般的な金属屋根を重ねることはできません。
瓦を撤去し、必要に応じて下地を補修したうえで、新しい屋根材へ葺き替えます。
屋根全体を直接確認したい
カバー工法では、野地板全体を目視できません。
築年数が経過し、下地を一度も交換していない場合や、過去に何度も雨漏りしている場合は、葺き替えによって内部を直接確認する方法があります。
屋根の重量を増やしたくない
建物の耐震性や構造に不安がある場合は、屋根材を重ねるより、既存屋根を撤去して軽い屋根材へ葺き替える方が適していることがあります。
建物の状態によって判断が異なるため、必要に応じて建築士や施工会社へ相談しましょう。
屋根塗装・カバー工法・葺き替えの違い

| 工事方法 | 費用目安 | 向いている状態 |
|---|---|---|
| 屋根塗装 | 40万〜80万円 | 屋根材と下地が健全で、塗膜が劣化している |
| カバー工法 | 80万〜200万円 | 屋根材は劣化しているが、下地は使用できる |
| 葺き替え | 110万〜250万円以上 | 防水シートや野地板まで傷んでいる |
屋根塗装が向いているケース
屋根材の割れや反りが少なく、下地にも問題がなければ、塗装で表面を保護できる可能性があります。
屋根塗装は、屋根材の美観や表面保護を回復させる工事です。
防水シートや野地板を新しくする工事ではありません。
カバー工法が向いているケース
塗装できないほど屋根材が劣化しているものの、野地板や構造部分は使用できる場合に向いています。
既存屋根を残すため、葺き替えより費用と工期を抑えやすい工法です。
葺き替えが向いているケース
屋根材だけでなく、防水シートや野地板まで傷んでいる場合は、葺き替えが適しています。
既存屋根を撤去するため費用は高くなりますが、下地を直接確認し、必要な部分を交換できます。
屋根カバー工法の工事期間と流れ
一般的な戸建住宅では、カバー工法に1〜2週間程度かかります。
| 工程 | 主な作業 |
|---|---|
| 現地調査 | 屋根材・下地・屋根裏・雨漏りの確認 |
| 足場設置 | 足場と飛散防止シートを設置 |
| 既存部材の撤去 | 棟板金・雪止め・不要部材を撤去 |
| 下地調整 | 割れ・段差・浮きなどを調整 |
| 下葺材施工 | 既存屋根の上に防水用の下葺材を施工 |
| 新規屋根施工 | 金属屋根材を軒先から順番に固定 |
| 役物施工 | 棟・谷・ケラバ・雨押さえなどを仕上げる |
| 検査・清掃 | 固定・雨仕舞い・傷などを確認 |
| 足場解体 | 足場を撤去して工事完了 |
工事中は、基本的に住宅内で生活できます。
ただし、足場や屋根材の施工音が発生するため、工事日程を事前に確認しておきましょう。
屋根カバー工法の費用が高くなる原因
屋根の形が複雑である
寄棟屋根や複数の屋根面が組み合わさった住宅は、棟や谷などの板金が増えます。
屋根材を切断・加工する回数も増えるため、単純な切妻屋根より施工費が高くなりやすいです。
屋根の勾配が急である
傾斜が急な屋根では、通常の外部足場に加えて、屋根面にも足場を設置することがあります。
安全対策と作業時間が増えるため、追加費用が発生します。
谷・天窓・下屋が多い
雨水が集まりやすい谷や、天窓、外壁との接合部分では、専用の板金や防水処理が必要です。
屋根の平らな部分より施工に手間がかかり、材料費も増えます。
下地の補強が必要になる
野地板の一部に傷みがある場合は、カバー工法の前に補強することがあります。
補強できる範囲を超えて広く腐食している場合は、カバー工法から葺き替えへ変更する可能性があります。
付帯部材の交換が多い

屋根本体以外に、次の部材を交換すると費用が増えます。
- 雨どい
- 破風板・鼻隠し
- 軒裏
- 換気棟
- 雪止め
- 天窓
見積書では、屋根カバー工法と付帯工事を分けて記載してもらいましょう。
屋根カバー工法の費用を抑える方法
2〜3社の見積もりを同じ条件で比較する
カバー工法の見積もりは、業者によって施工範囲や使用する材料が異なります。
次の条件をそろえて比較しましょう。
- 施工する屋根面積
- 新しい屋根材
- 下葺材
- 棟・谷・軒先などの施工範囲
- 雪止め・換気棟の有無
- 足場と飛散防止シート
- 石綿事前調査
- 保証内容
屋根材の名称や施工範囲が違う状態では、総額だけを比較できません。
外壁工事と同じ時期に行う
屋根カバー工法と外壁塗装には、どちらも足場が必要になることがあります。
別々の時期に工事すると、足場代を2回支払う可能性があります。
外壁の塗り替え時期も近い場合は、同時施工した場合と別々に施工した場合の見積もりを比較しましょう。
価格だけで屋根材を選ばない
初期費用が安い屋根材でも、住宅の環境に合わなければ、早期に再塗装や補修が必要になる可能性があります。
塗膜保証、穴あき保証、断熱材の有無、沿岸地域での使用条件などを確認しましょう。
応急補修を繰り返す前に全体を点検する
屋根全体が劣化している状態で部分補修を繰り返すと、別の場所が次々に傷むことがあります。
今後も長く住む予定であれば、部分修理を続ける場合と、カバー工法を行う場合の総額を比較してください。
見積書で確認するポイント
| 確認項目 | チェックする内容 |
|---|---|
| 屋根面積 | 実測した施工面積が記載されているか |
| 既存屋根 | 屋根材と下地をどのように調査したか |
| 新しい屋根材 | メーカー・商品名・色・数量 |
| 下葺材 | メーカー・商品名・施工範囲 |
| 板金 | 棟・谷・軒先・ケラバなどの範囲 |
| 下地補修 | 必要になる条件と追加単価 |
| 足場 | 面積・単価・飛散防止シートの有無 |
| 石綿調査 | 事前調査費・報告書・施工方法 |
| 撤去・処分 | 棟板金や雪止めなどの処分費 |
| 付帯工事 | 雨どい・破風・軒裏などを含むか |
| 追加工事 | 承諾前に施工しない仕組みがあるか |
| 保証 | 材料保証と工事保証の対象・期間 |
「屋根カバー工事一式」としか書かれていない見積書では、各社の施工内容を比較できません。
屋根材や下葺材の商品名、施工面積、役物の範囲まで記載してもらいましょう。
屋根カバー工法を依頼する業者の選び方
カバー工法は、屋根材を重ねるだけの工事ではありません。
既存屋根の状態を確認し、新しい屋根材を適切に固定できるか判断する必要があります。
業者を選ぶ際は、次の点を確認してください。
- カバー工法の施工実績がある
- 自宅と同じ既存屋根材の施工経験がある
- 屋根裏や下地の状態を確認する
- カバー工法が適さない場合も説明する
- 屋根全体の写真や動画を提示する
- 下葺材と固定方法を説明する
- 工事中の下地写真を残す
- 材料保証と工事保証を区別して説明する
- 契約を急がせない
現地調査を十分に行わず、最初からカバー工法だけを勧める業者には注意が必要です。
下地が傷んでいる場合は葺き替え、屋根材が健全なら塗装や部分修理など、別の選択肢も説明してもらいましょう。
屋根カバー工法に関するよくある質問
雨漏りしていてもカバー工法はできますか?
雨漏りの原因と下地の状態によって異なります。
板金や屋根材の不具合が原因で、野地板に大きな傷みがなければ、補修後にカバー工法を行える場合があります。
野地板や構造部分まで腐食している場合は、葺き替えが必要です。
瓦屋根にもカバー工法はできますか?
一般的な日本瓦や洋瓦には、金属屋根のカバー工法を施工できません。
瓦を撤去し、下地を確認してから新しい屋根材へ葺き替えます。
カバー工法を2回行えますか?
屋根の重量や固定、将来の維持管理を考えると、カバー工法を繰り返すのは一般的ではありません。
すでにカバー工法を行っている屋根は、次回の改修で2層分を撤去し、葺き替えることが多くなります。
屋根カバー工法は何年持ちますか?
使用する屋根材や塗膜、施工品質、地域の環境によって異なるため、一律には判断できません。
商品保証の年数だけでなく、定期点検や将来の塗装時期も確認してください。
アスベストを含む屋根でも施工できますか?
既存屋根の状態や施工方法によっては、カバー工法を選べる場合があります。
ただし、改修工事前の石綿事前調査や、含有状況に応じた適切な作業が必要です。
「撤去しないから調査は不要」とは限りません。
太陽光パネルがあっても施工できますか?
施工できる場合もありますが、パネルや架台の一時撤去と再設置が必要になることがあります。
脱着費、配線工事、雨仕舞い、既存保証への影響を契約前に確認しましょう。
屋根カバー工法はDIYできますか?
高所で屋根材や板金を施工するため、DIYには向いていません。
下葺材や接合部分の施工不良は、雨漏りや屋根材の飛散につながる可能性があります。
自分で屋根へ上らず、屋根工事の経験がある専門業者へ依頼してください。
まとめ
屋根カバー工法の費用は、一般的な戸建住宅で80万〜200万円程度が目安です。
| 項目 | 目安・判断 |
|---|---|
| 費用相場 | 80万〜200万円程度 |
| 足場代 | 15万〜30万円程度 |
| 工期 | 1〜2週間程度 |
| 向いている屋根 | 下地が健全なスレート・平板状の金属屋根 |
| 主なメリット | 撤去費・処分費・工期を抑えやすい |
| 主なデメリット | 重量が増え、既存下地を全面確認できない |
| 向いていない状態 | 瓦屋根・広範囲の下地腐食・重ね葺き済み |
カバー工法は、葺き替えより費用を抑えやすい工法ですが、すべての住宅に適しているわけではありません。
特に重要なのは、新しい屋根材を固定する野地板が使用できる状態かどうかです。
見積もりでは、次の項目を確認しましょう。
- 実際の屋根面積
- 既存屋根と下地の調査結果
- 新しい屋根材と下葺材の商品名
- 棟・谷・軒先などの施工範囲
- 足場と付帯工事の費用
- 石綿事前調査の内容
- 下地補修が必要になった場合の単価
- 材料保証と工事保証
2〜3社へ同じ条件で現地調査を依頼し、カバー工法・塗装・葺き替えのどれが住宅に合っているか比較してから契約することが大切です。

この記事を書いた人
地方生活サポートハウス編集部
地方暮らしや住宅メンテナンス、
空き家管理に関する情報を発信しています。
実体験や専門家監修をもとに、
分かりやすい情報提供を心がけています。






