外壁の色あせや汚れが気になり、「自分で塗装すれば費用を抑えられるのでは」と考える方もいるでしょう。
外壁塗装は、地上から安全に手が届く小さな範囲であればDIYを検討できます。
ただし、家全体を塗装する場合は、洗浄・下地処理・養生・下塗り・中塗り・上塗りなど複数の工程があり、外壁材や既存塗膜に合った塗料を選ぶ必要もあります。
特に、2階部分や脚立・はしごを使わなければ届かない場所をDIYで塗装するのはおすすめしません。
この記事では、外壁塗装を自分で行う場合の道具、塗料の選び方、基本的な塗り方、サイディング・モルタルの違い、失敗しやすいポイントまで順番に解説します。
外壁塗装DIYの結論
地上から安全に手が届く小さな範囲であればDIYを検討できます。
一方、家全体・2階部分・高所・劣化が進んだ外壁は、塗装業者へ相談する方が安全です。
外壁塗装をDIYできる範囲

「外壁塗装は自分でできる」と一括りにするのではなく、どこを塗るのかで考えることが重要です。
| 外壁の状態・場所 | DIYの判断 |
|---|---|
| 地上から無理なく届く小範囲 | DIYを検討できる |
| 小さな塗膜の剥がれ・色あせ部分 | 状態を確認して部分補修を検討 |
| 外壁一面など広い範囲 | 作業負担が大きい |
| 2階部分 | 業者へ相談 |
| 脚立・はしごが必要な場所 | 業者へ相談 |
| 大きなひび割れ・浮き・剥がれ | 原因確認を含め業者へ相談 |
| 雨漏りを伴っている | 塗装だけで判断せず専門業者へ相談 |
DIY向きなのは、玄関まわりや低い外壁など、地面に立ったまま安定した姿勢で作業できる範囲です。
「ローラーが届く」「長い棒を使えば届く」という理由だけで、高い場所まで塗ろうとするのは避けましょう。
外壁塗装DIYでは、はしごや脚立を使った高所での塗装方法は紹介しません。
高い場所を塗る必要がある場合は、適切な足場を設置して施工する専門業者へ相談しましょう。
外壁塗装DIYに必要な道具

外壁塗装は、塗料とローラーだけではできません。
塗る前の清掃や養生、下地処理まで考えて道具を準備します。
| 道具 | 主な用途 |
|---|---|
| 外壁用塗料 | 外壁を保護・着色する |
| 下塗り材 | 外壁と上塗り塗料の密着を助ける |
| ローラー | 広い面を塗る |
| 刷毛 | 端・角・細かい部分を塗る |
| ローラーバケット・容器 | 塗料を入れる |
| マスキングテープ・養生材 | 窓・配管・地面などを保護する |
| ブラシ・スポンジなど | 汚れや付着物を落とす |
| ヘラ・研磨用具など | 浮いた旧塗膜などを整える |
| 手袋・保護メガネ・作業着 | 身体を保護する |
使用する道具や保護具は、塗料の種類や製品表示も確認して選びましょう。
外壁DIYで使う塗料の選び方
外壁用と書かれている塗料なら何でも使えるわけではありません。
まず確認したいのが、現在の外壁材と既存の塗装状態です。
水性塗料と溶剤系塗料

外壁用塗料には、水性タイプや溶剤系タイプがあります。
DIYでは扱いやすさから水性塗料を検討する方も多いですが、水性だからどの外壁にも使えるわけではありません。
塗装できる素材、使用できる下塗り材、塗装回数、乾燥時間などを製品の説明で確認してください。
1液型と2液型
塗料には、そのまま使用するタイプのほか、主剤と硬化剤を混ぜて使用する2液型があります。
2液型は混合後に使用できる時間が決まっている製品もあるため、初心者が選ぶ場合は施工方法まで確認しておきましょう。
下塗り材も外壁に合わせて選ぶ

外壁塗装では、仕上げ用の塗料だけでなく、シーラーやフィラーなどの下塗り材が使われます。
下塗りには、外壁と仕上げ塗料を密着させたり、下地の状態を整えたりする役割があります。
下塗りを省略して上塗り塗料だけを塗ると、剥がれや色むらなどにつながることがあります。
塗料ごとに対応する下地・下塗り材・塗装回数・乾燥時間・希釈方法などが異なります。DIYでは一般的な数字を当てはめず、購入した製品のラベル・仕様書を優先してください。
サイディング外壁をDIYで塗装するときの注意点

戸建て住宅で多く使われている窯業系サイディングも、DIYで塗装を考える方が多い外壁材です。
ただし、サイディングは表面だけを見て塗料を選ぶのではなく、次の状態を確認します。
- 表面の色あせ・チョーキング
- 塗膜の剥がれ
- サイディングボードの反り・浮き
- ひび割れ
- 目地のコーキングの劣化
- 現在の外壁表面に塗装できる製品か
サイディングそのものが反っていたり、割れが大きかったりする場合は、塗装だけでは対応できない可能性があります。
また、既存の仕上げによっては塗料が密着しにくい場合もあるため、使用する塗料メーカーの適用下地を確認しましょう。
モルタル外壁をDIYで塗装するときの注意点
モルタル外壁では、塗装前にひび割れや浮き、剥がれがないかを確認することが重要です。
表面の細かなひび割れと、幅が広い・深い・何度も同じ場所に発生するひび割れでは、必要な対応が異なります。
原因が分からないひび割れを塗料だけで覆うのではなく、先に状態を確認しましょう。
外壁塗装をDIYする基本的な流れ
外壁塗装は、いきなり塗料を塗るのではなく、塗る前の準備が仕上がりを左右します。
STEP1|外壁の状態を確認する

最初に、塗装する場所の状態を確認します。
- ひび割れていないか
- 旧塗膜が大きく剥がれていないか
- 外壁材が浮いたり反ったりしていないか
- カビや藻が発生していないか
- 雨漏りしていないか
外壁自体の補修が必要な場合は、先に原因と補修方法を確認します。
STEP2|汚れや古い塗膜を整える

外壁に付着したほこり、泥、藻などを残したまま塗ると、塗料が十分に密着しないことがあります。
塗装する部分を清掃し、浮いている旧塗膜などがあれば状態を整えます。
洗浄した場合は、表面が十分に乾いてから次の工程へ進みます。
STEP3|塗らない場所を養生する

窓、サッシ、配管、床、植木など、塗料を付けたくない場所を養生します。
外壁DIYでは塗る作業に目が向きやすいですが、養生を丁寧に行うことで仕上がりの差が出ます。
STEP4|下塗りする

使用する外壁材・上塗り塗料に対応した下塗り材を塗ります。
下塗り材の種類や必要な塗布量、乾燥時間は製品によって異なるため、メーカーの仕様に従います。
STEP5|中塗り・上塗りする

下塗りが乾いたら、仕上げ用の塗料を塗っていきます。
外壁用塗料では、中塗り・上塗りとして塗料を複数回塗り重ねる仕様も一般的です。
一度に厚く塗って回数を減らそうとせず、塗布量・塗装回数・塗り重ねまでの時間を製品指定どおりに守ることが重要です。
STEP6|乾燥後に仕上がりを確認する

塗装後は、養生を外す前後に塗り残し、塗料の垂れ、著しい色むらなどがないか確認します。
追加で塗装する場合も、製品に指定された乾燥時間を確認してください。
外壁塗装DIYでスプレーやスプレーガンは使える
外壁塗装には、ローラーや刷毛のほか、吹き付けで施工する方法もあります。
しかし、DIY初心者が住宅の外壁にスプレーやスプレーガンを使用すると、塗料が周囲へ飛散したり、塗膜の厚さに差が出たりする可能性があります。
車、窓、植木、隣家などへの飛散対策も必要になるため、小規模なDIYでは刷毛とローラーの方が作業範囲を管理しやすいでしょう。
外壁塗装を足場なしでDIYするのはおすすめしない
外壁塗装の費用を抑えるため、「足場なしで塗れないか」と考える方もいるでしょう。
しかし、2階部分など高い外壁を塗るためには、塗料や道具を扱いながら長時間作業する必要があります。
はしごや脚立の上で身体を伸ばして塗装する方法は、安全面からおすすめできません。
地上から安全に作業できる範囲を超える場合は、足場を含めて施工できる塗装業者へ相談しましょう。
外壁塗装DIYでよくある失敗
DIYで失敗しやすいのは、ローラーの使い方だけではありません。
汚れを落とさず塗ってしまう
ほこり、藻、古い塗膜などが残った状態で塗ると、塗料が十分に密着しない原因になります。
下塗りを省略する
仕上げ塗料だけを塗れば簡単に見えますが、下塗りには密着性や下地調整などの役割があります。
使用する塗料の指定工程を省略しないようにしましょう。
外壁に合わない塗料を選ぶ
ホームセンターで「外壁用」と書かれた塗料を選ぶだけでは不十分な場合があります。
サイディング、モルタル、金属など外壁材によって適した塗装仕様が異なります。
一度に厚く塗りすぎる
早く仕上げようとして厚く塗ると、垂れや乾燥不良などにつながることがあります。
製品で指定されている塗布量・塗装回数を守りましょう。
乾燥時間を待たずに塗り重ねる
表面が乾いているように見えても、次に塗れる時間は製品によって異なります。
自己判断で急いで重ね塗りせず、塗料メーカーが指定する塗り重ね可能時間を確認してください。
外壁の劣化を塗料だけで隠してしまう
ひび割れ、外壁材の浮き、コーキングの大きな劣化などがある場合、表面を塗るだけでは根本的な対処にならないことがあります。
塗装前に外壁そのものの状態を確認することが重要です。
外壁塗装をDIYする前に業者費用も比較する
外壁塗装をDIYする最大のメリットは、業者へ依頼する場合と比べて施工費を抑えられる可能性があることです。
一方、家全体を塗る場合は、塗料だけでなく、養生材・道具・下塗り材なども必要になります。
さらに高い部分まで塗装するとなると、安全な作業環境を確保する必要があります。
そのため、DIYすることを最初から決めるのではなく、業者へ依頼した場合の費用も確認してから比較する方法がおすすめです。
住宅の坪数や塗料などによって変わる外壁塗装の費用相場を紹介しています。
外壁塗装の費用相場を見る見積書の内容や施工内容など、複数の業者を比較するときのポイントを紹介しています。
外壁塗装業者の選び方を見る外壁塗装DIYをやめて業者へ相談した方がよいケース
次のような場合は、DIYにこだわらず専門業者への相談を検討しましょう。
- 2階や高い場所を塗る必要がある
- 家全体を塗り替えたい
- 外壁の剥がれが広範囲にある
- 大きなひび割れや外壁材の浮きがある
- コーキングの劣化が広範囲にある
- 雨漏りや内部への水の侵入が疑われる
- 外壁材や既存塗膜の種類が分からない
外壁塗装が必要な状態なのか判断できない場合は、まず劣化症状を確認する方法もあります。
外壁塗装DIYのよくある質問
外壁は一部だけDIYで塗装できる?
地上から安全に作業でき、外壁材の大きな損傷がない小範囲であれば、部分的なDIY塗装を検討できます。
ただし、既存部分との色・艶の差が目立つ場合があります。
外壁塗装はローラーだけでできる?
広い面にはローラーを使いやすいですが、角や細かい部分では刷毛なども必要になります。
外壁塗装は1回塗りでもいい?
外壁塗料は、下塗りや複数回の塗り重ねを前提としている製品が多くあります。
「一度塗れば十分」と自己判断せず、使用する塗料の指定工程を確認してください。
古い家の外壁もDIYで塗れる?
築年数だけでは判断できません。
外壁材の劣化、既存塗膜、ひび割れ、浮きなどの状態によっては、塗装前に補修が必要です。
外壁用の防水スプレーをかければ塗装しなくていい?
外壁塗装と市販の防水スプレーでは用途が異なります。
外壁の劣化対策として、塗り替えの代わりに家庭用の防水スプレーを全面へ使用することはおすすめできません。使用できる素材や用途を製品表示で確認してください。
まとめ|外壁塗装DIYは安全に作業できる小範囲から
外壁塗装は、地上から安全に手が届く小さな範囲であればDIYを検討できます。
ただし、きれいに仕上げるには、塗料を塗るだけでなく、外壁の点検・清掃・下地処理・養生・下塗り・塗り重ねまで行う必要があります。
また、サイディングやモルタルなど外壁材によって適した塗料や補修方法も異なります。
2階部分や高所、家全体の塗り替え、外壁の劣化が進んでいる場合は、無理にDIYせず業者へ相談しましょう。

