2026年は、日本ペイントや関西ペイントなどの塗料メーカーが相次いで値上げを発表しました。外壁塗装や屋根塗装を検討している方は、「塗装費用はどこまで高騰するのか」「値下がりするまで待つべきか」と気になっているのではないでしょうか。
結論からいうと、2026年の塗料・シンナーの大幅な価格改定は事実です。ただし、塗料の値上げ率が、そのまま外壁塗装工事の値上げ率になるわけではありません。また、2026年秋には塗料の供給逼迫は改善しており、値上げと品不足は分けて考える必要があります。
| 気になること | 2026年10月時点の結論 |
|---|---|
| 塗料は実際に値上がりした? | はい。主要メーカーが2026年春〜初夏に価格改定 |
| 日本ペイントの「75%値上げ」は? | シンナーの改定率。外壁塗装の工事総額ではない |
| 塗料の供給不足は続いている? | 2026年9月上旬調査では塗料・シンナーの需給が「均衡」に改善 |
| 塗料価格はいつ下がる? | 明確な時期は未発表。原材料の相場だけでは判断できない |
| 外壁塗装は待つべき? | 劣化状況を点検し、同条件の見積もりで判断 |
この記事では、塗料メーカー別の2026年の値上げ幅と時期、2025年からの推移、戦争・ナフサ・シンナー不足との関係、外壁塗装の見積もりへの影響、費用を抑える方法まで整理します。
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この記事の監修者
外壁塗装職人(監修者)
・職人歴12年の現役塗装職人
・施工経験:戸建て・マンション・工場・店舗
・専門分野:外壁塗装・屋根塗装・防水工事・シーリング工事
これまで多数の現場で施工・現地調査・見積もりを担当。
本記事では実際の施工経験と現場知識をもとに解説しています。
塗料メーカーの値上げはいつから?2026年の価格改定一覧
2026年には、国内の主要塗料メーカーが相次いで塗料・シンナーの価格改定を発表しています。まず、発表時期ではなく、実際に価格改定が適用される出荷時期を確認しましょう。
| メーカー・対象 | 改定幅 | 適用時期 |
|---|---|---|
| 日本ペイント/シンナー | 75% | 2026年3月に販売店へ案内・改定 |
| 関西ペイント/シンナー | 50%以上 | 2026年4月13日出荷分〜 |
| エスケー化研/溶剤形の主力製品 | 20〜30% | 2026年4月21日出荷分〜 |
| エスケー化研/水性製品 | 15〜25% | 2026年5月11日出荷分〜 |
| 日本ペイント/溶剤系・水性塗料 | 25〜35%・20〜30% | 2026年6月1日出荷分〜 |
| 関西ペイント/溶剤系・水性塗料 | 20〜35%・15〜30% | 2026年6月15日出荷分〜 |
※上記は各メーカーの発表・報道に基づく、対象製品ごとの改定率です。全製品に同じ値上げ率が適用されるわけではなく、施工会社が施主に請求する工事金額の上昇率でもありません。エスケー化研の数値は2026年4月13日付「リフォーム産業新聞」の報道を参照しています。
日本ペイント|シンナー75%、塗料は20〜35%の値上げ
日本ペイントは2026年5月13日、6月1日出荷分から溶剤系塗料25〜35%、水性塗料20〜30%の価格改定を発表しました。直送運賃も改定対象とされています。
話題になった「75%値上げ」はシンナー製品についての数字です。塗料すべてが75%上がったという意味ではありません。メーカーは原材料の調達や物流コストの上昇を理由に挙げ、追加の価格対応の可能性にも言及しています。
参考:日本ペイント「中東情勢に伴う当社製品の価格改定について」(2026年5月13日)。なお、2026年8月には改定を反映した設計価格表2026年7月版も案内されています。
関西ペイント|塗料15〜35%、シンナー50%以上の値上げ
関西ペイントは2026年4月2日、シンナー製品全般を4月13日出荷分から50%以上値上げし、出荷数量を調整すると発表しました。
さらに5月29日には、6月15日出荷分から溶剤系塗料20〜35%、水性塗料15〜30%、粉体系塗料15〜25%の価格改定を公表しています。
参考:関西ペイント「シンナー製品の出荷統制および価格改定」(2026年4月2日)、「当社製品の価格改定」(2026年5月29日)。
エスケー化研|水性15〜25%、溶剤20〜30%の値上げ
エスケー化研については、2026年4月13日付のリフォーム産業新聞が、水性製品15〜25%、溶剤製品20〜30%、粉体製品10〜15%の価格改定を報じています。主な実施日は5月11日出荷分からで、溶剤形の主力製品は4月21日出荷分からとされています。
参考:リフォーム産業新聞「エスケー化研、製品価格を値上げ」(2026年4月13日)。
塗料の値上げ推移|2025年から2026年に何が変わった?
塗料の高騰は2026年に突然始まったわけではありません。2025年にもメーカーの価格改定があり、2026年には中東情勢の緊迫化と原材料供給への懸念が重なりました。
| 時期 | 確認できる動き |
|---|---|
| 2025年7月 | 日本ペイントが塗料・シンナー類全般を10〜20%改定 |
| 2025年9月 | 関西ペイント販売が塗料・シンナーを5〜20%相当改定 |
| 2026年3〜4月 | 日本ペイント・関西ペイントがシンナーを大幅改定。出荷制限の動きも発生 |
| 2026年4〜6月 | 主要メーカーが水性塗料・溶剤系塗料を広く価格改定 |
| 2026年9月上旬調査 | 建設物価調査会が塗料・塗料用シンナーの需給を「均衡」と評価 |
参考:日本ペイント2025年の価格改定、関西ペイント2025年の価格改定、建設物価調査会・2026年9月18日公表資料。
※異なる年・製品の改定率を単純に足したり掛け合わせたりして「塗料は合計何%値上がり」と計算することはできません。比較対象となる製品と価格の基準が違うためです。
塗料が高騰した理由|戦争・ナフサ・シンナー不足との関係
中東情勢で原油と石油化学原料の調達が不安定になった
塗料に使う樹脂や溶剤の多くは、原油から得られるナフサなどの石油化学原料と関係しています。2026年春には中東情勢の緊迫化を受けて、原材料価格の上昇や供給の不安定さが問題になりました。
メーカーが塗料を製造する際の原価だけでなく、原料の輸送費や製品の配送費が増えることも価格改定の理由となっています。
シンナーの値上げ・品不足が塗装現場に影響した
シンナーは主に溶剤系塗料の希釈や器具洗浄などに使われる材料です。2026年春にはシンナーの調達難を訴える塗装業者もあり、日本塗装工業会は4月に国土交通省へ供給確保に関する緊急要望を行いました。
ただし、すべての塗料がシンナーで薄められるわけではありません。水性塗料は水で希釈する製品が多い一方、樹脂などの原材料や輸送費の影響は受けるため、水性塗料も値上げの対象になっています。
人件費・足場・運搬費も工事費用に関係する
外壁塗装工事の見積書には、塗料代のほかに足場、養生、高圧洗浄、職人の作業費、シーリング補修、現場管理費などが含まれます。これらの費用は塗料の価格とは別の要因でも変わります。塗料だけ値上がりしても、施工費全体が同じ割合で上がるわけではないのです。
塗料の高騰はいつまで?2026年秋の供給状況と今後の見通し
2026年10月時点で、主要メーカーの塗料価格がいつ値下がりするか、共通の確定時期は示されていません。中東情勢が落ち着いても、仕入れ済みの原材料、物流費、人件費、メーカーの価格設定などが関係するため、直ちに値下がりするとは限りません。
塗料・シンナーの需給逼迫は2026年秋に改善
建設物価調査会が2026年9月18日に公表したレポートでは、建設資材の供給逼迫が夏以降に改善し、10月号(9月上旬調査)で塗料・塗料用シンナーは「均衡」に達したとされています。
一方、供給が改善したことは、メーカーが実施した価格改定が取り消されたことを意味しません。「品物が入手できるか」と「以前の価格に戻るか」は別問題です。
参考:建設物価調査会「主な建設資材の需給ひっ迫は緩和傾向」(2026年9月18日)。
外壁塗装を急いで契約する必要はない
「来月は絶対に高くなる」と言われても、メーカーの値上げ発表だけを理由に即決する必要はありません。今後の価格は確実には予測できず、現在の見積もりが適正か、外壁に補修が必要かを先に確かめる方が現実的です。
塗料が30%値上がりすると外壁塗装はいくら高くなる?
たとえば外壁塗装の見積もり総額が100万円、うち塗料などの材料費が20万円という仮のケースを考えます。材料費が30%上がり、ほかの費用が変わらなければ、増加額は6万円です。
| 仮の工事条件 | 金額 |
|---|---|
| 値上げ前の工事総額 | 100万円 |
| うち材料費 | 20万円 |
| 材料費が30%上がった場合 | 20万円 → 26万円 |
| ほかの費用が変わらない場合の総額 | 106万円 |
これは計算の仕組みを説明するための仮定であり、一般的な住宅の材料費割合や、2026年の工事価格の平均上昇率を示すものではありません。塗料の使用量、下塗り材、副資材、仕入れ条件などは業者や住宅によって異なります。
実際には、過去に仕入れた塗料の在庫を使用する業者もあれば、すでに新価格が反映されている業者もあります。工事見積もりが何%上がったかを知りたい場合は、前回と同条件の見積書を比較する必要があります。
そもそもの費用相場は外壁塗装の費用相場と30坪・40坪・50坪の価格表で確認できます。
今、外壁塗装をするべき?値下がりを待ってもよい?
すぐに調査・補修を相談したいケース
- 外壁に大きなひび割れや剥がれがあり、雨水が入り込むおそれがある
- シーリングが切れて隙間ができている、室内に雨染みがある
- 塗膜が大きく浮いたり剥がれたりして、下地の劣化が疑われる
このような症状があれば、値下がりを待つよりも状態を確認することが先です。ただし、調査したからといって必ず全面塗装が必要とは限りません。部分補修で対応できるかも確認しましょう。
見積もり比較をしながら時期を決められるケース
- 色あせなどの軽微な変化が中心で、雨漏りや大きな損傷がない
- すでに塗り替えを検討しているが、工事内容や予算に迷っている
- 屋根塗装やシーリング工事も合わせて計画したい
塗装の必要性は築年数だけで決めず、立地・外壁材・前回の塗料・劣化症状で判断します。参考:外壁塗装は本当に必要?塗り替え時期と放置のリスク。
塗装費用の高騰で損をしないための見積もり比較ポイント
見積書を比較するときは、総額だけでなく、以下の項目をそろえることが大切です。
| 確認する項目 | 見積もりで見るポイント |
|---|---|
| 塗料 | メーカー・正式な商品名・水性/溶剤・グレード |
| 塗装量 | 塗装面積(㎡)・塗装回数・使用予定缶数 |
| 下地補修 | ひび割れ・シーリング・剥がれの補修範囲 |
| 足場・付帯部 | 軒天・雨どい・破風・鉄部などを含むか |
| 価格改定・納期 | 見積有効期限・追加料金の条件・塗料の入荷予定 |
| 保証 | 施工保証の対象・年数・免責条件 |
「塗料が値上がりしたので一式○万円増額」は内訳を確認する
一式の追加請求だけでは、対象の塗料・数量・単価がわかりません。どの製品に、どれくらいの値上げが反映されたのかを書面で確認してください。契約済みの工事で増額を求められた場合も、契約書の価格変更条項や合意の有無を確認し、説明を受けてから判断しましょう。
安い塗料への変更は、性能・適合性も比較する
塗料を安くすると初期費用が下がることはありますが、建物の下地に合わなかったり、塗り替え周期が短くなったりすれば、長期的な負担が増える可能性もあります。塗料は価格だけでなく、耐久性や保証と合わせて検討しましょう。
関連:外壁塗装の塗料の種類・価格・耐用年数を比較、外壁塗装の見積書の見方。
外壁塗装の費用を抑える方法
同じ条件で2〜3社を比較する
塗料メーカーが同じでも、施工会社によって得意な工法や仕入れ条件、足場・下地補修の計上方法は異なります。できれば2〜3社に現地調査を依頼し、同じ施工範囲・同等の塗料グレードで比較しましょう。最安値だけで決めず、説明が具体的な会社を選ぶことが大切です。
屋根やシーリングの工事をまとめるか検討する
外壁と屋根に同時期の補修が必要なら、足場を共用できる可能性があります。ただし、不要な工事まで追加すれば総額は増えるので、今必要な工事かを確かめたうえで判断してください。
値上げを理由にした「今日だけの割引」で即決しない
大幅値引きや工事を急がせる説明は、比較する時間を奪うことがあります。見積有効期限、価格改定の根拠、キャンセル条件を確認し、納得できなければその場で契約しないようにしましょう。
塗装業界の2026年の現状と今後|仕事がなくなる?
2026年春の塗装業界では、原材料の調達不安、価格改定、出荷制限が重なり、施工会社にとっては材料の確保と見積価格の説明が課題となりました。一方、2026年秋の調査では塗料・シンナーの需給は改善しています。
「塗装業界はやばい」「塗装業の仕事がなくなる」といった検索もありますが、材料高騰だけを根拠に業界全体の需要減少や将来性を断定することはできません。住宅の維持管理には塗装や補修が必要になるケースがあり、施工会社ごとの受注状況も異なります。
住宅所有者としては、価格ニュースよりも、依頼先が適切な材料を確保できるか、工期・施工品質・保証を明確に説明できるかを確認することが重要です。
塗料の高騰・値上げに関するよくある質問
塗料の値上がりは2026年10月も続いていますか?
2026年春〜初夏の主要メーカーによる価格改定は確認できますが、2026年10月に主要3社が一斉に追加値上げしたという発表は、今回確認した公式・報道資料では見つかりませんでした。ただし、商品ごとの価格改定や販売店の価格変更はあり得るため、最新の単価は販売店や施工会社に確認してください。
日本ペイントは出荷停止していますか?いつまでですか?
シンナーの値上げや一部のメーカーによる数量制限は確認されていますが、それをもって「日本ペイントの全塗料が現在出荷停止」とはいえません。特定の製品が手に入らない場合は、商品名・型番を伝えて販売店や施工会社に納期を確認しましょう。
水性塗料なら値上げやシンナー不足の影響はありませんか?
いいえ。水性塗料でも樹脂などの原材料費や物流費の影響を受けます。日本ペイントや関西ペイントも2026年に水性塗料の価格改定を発表しています。水性へ変更する場合は、下地との適合性や施工仕様を業者に確認してください。
塗料が値上がりしたら、自動車の塗装費も高くなりますか?
自動車補修塗装でも塗料・溶剤・作業費の変動は費用に影響し得ます。ただし、建築用塗料と自動車補修用塗料は製品体系や価格改定が異なるため、この記事に掲載したメーカーの建築用塗料の改定率をそのまま自動車塗装代に当てはめることはできません。
「塗料の値上げが戦争のせい」という説明は正しいですか?
2026年春の価格改定では、メーカー自身が中東情勢の緊迫化と原材料・物流コストの上昇を理由として挙げています。ただし、工事費用には人件費・足場・補修費も含まれるため、外壁塗装の請求金額すべてを戦争だけで説明することはできません。
まとめ|塗装費用が高騰する今こそ、値上げ率より見積もりの中身を確認
2026年には、日本ペイント・関西ペイント・エスケー化研などが塗料の価格改定を実施・公表し、シンナーも大幅に値上がりしました。一方、2026年秋には需給の逼迫が改善したという調査結果も出ています。
今後いつ塗料価格が下がるかは断定できません。外壁に不具合があるなら早めに点検し、塗装を計画しているなら施工内容をそろえて複数社の見積もりを比較することが、不要な出費を防ぐための現実的な方法です。
参考資料・出典
- 日本ペイント「中東情勢に伴う当社製品の価格改定について」(2026年5月13日)
- 関西ペイント「シンナー製品の出荷統制および価格改定」(2026年4月2日)
- 関西ペイント「当社製品の価格改定」(2026年5月29日)
- リフォーム産業新聞「エスケー化研、製品価格を値上げ」(2026年4月13日)
- 建設物価調査会「主な建設資材の需給ひっ迫は緩和傾向」(2026年9月18日)
- 日本塗装工業会「中東情勢に伴う塗料原材料の安定供給及び価格高騰に関する緊急要望」(2026年4月16日)
※価格改定率や供給状況は公開資料の時点の情報です。最新の商品単価・販売条件・納期は各メーカーや施工会社に確認してください。

この記事を書いた人
地方生活サポートハウス編集部
地方暮らしや住宅メンテナンス、
空き家管理に関する情報を発信しています。
実体験や専門家監修をもとに、
分かりやすい情報提供を心がけています。

