外壁塗装を検討していると、業者から「屋根塗装も同時に施工した方がよい」と提案されることがあります。
同時に施工すれば足場を共用できるため、工事を別々に行うより費用を抑えられる可能性があります。
一方で、屋根やベランダの状態が良好なのに、足場代がもったいないという理由だけで工事を追加すると、不要な出費になることもあります。
また、屋根に塗装では直せない割れや下地劣化がある場合や、ベランダ防水層が膨れている場合は、外壁塗装と同じ塗装工事としてまとめるだけでは対応できません。
| 住宅の状態 | 同時施工の考え方 |
|---|---|
| 外壁と屋根がどちらも塗り替え時期 | 同時施工を検討しやすい |
| 外壁とベランダ防水が同時期に劣化 | まとめて点検・施工を検討 |
| コーキングもひび割れ・剥離している | 外壁塗装と同時補修が効率的 |
| 屋根の状態が良好 | 足場代だけを理由に塗装する必要はない |
| 屋根材の割れ・下地劣化が進んでいる | 塗装ではなくカバー工法・葺き替えも比較 |
| ベランダが色あせただけ | 防水層が健全ならトップコートを検討 |
| ベランダに膨れ・深い亀裂・雨漏りがある | 防水層と下地を調査して再防水を検討 |
| 施工会社が防水工事に対応していない | 専門業者を含めて比較する |
外壁と屋根の両方が補修時期を迎えているなら、足場を一度で済ませられる同時施工は有力な選択肢です。
ただし、同時に工事すること自体が目的ではありません。
外壁、屋根、コーキング、ベランダ防水をそれぞれ点検し、本当に補修が必要な箇所だけをまとめることが重要です。
この記事では、外壁塗装と屋根塗装を同時にするメリット・デメリット、30坪・40坪などの費用相場、180万円・200万円の見積もり判断、足場代、施工時期、屋根カバー工法との違いを解説します。

この記事の監修者
外壁塗装職人(監修者)
・職人歴12年の現役塗装職人
・施工経験:戸建て・マンション・工場・店舗
・専門分野:外壁塗装・屋根塗装・防水工事・シーリング工事
これまで多数の現場で施工・現地調査・見積もりを担当。
本記事では実際の施工経験と現場知識をもとに解説しています。
- 外壁塗装と屋根塗装は同時にするべき?
- 外壁塗装と屋根塗装の時期はそろえた方がよい?
- 外壁塗装と「ベランダ防水」は同時にするべき?
- 外壁塗装と屋根塗装を同時にした費用相場
- 外壁・屋根塗装で180万円・200万円は高い?
- 同時施工で足場代はいくら安くなる?
- 外壁塗装と屋根塗装はどちらが先?
- 外壁塗装と屋根塗装を同時に行うメリット
- 同時施工のデメリットと注意点
- 同時施工がおすすめなケース
- 工事を分けた方がよいケース
- 屋根塗装は意味ない?カバー工法・葺き替えが必要なケース
- コーキング工事も外壁塗装と同時に確認する
- 外壁と屋根の塗料は同じグレードにするべき?
- 同時施工の見積書で確認するポイント
- 同時施工を依頼する業者の選び方
- 外壁塗装と屋根塗装の同時施工に関するよくある質問
- まとめ
- 外壁と屋根を同時施工するなら見積もりを比較する
外壁塗装と屋根塗装は同時にするべき?

外壁と屋根の両方が塗り替え時期を迎えている場合は、同時施工を検討する価値があります。
外壁塗装と屋根塗装では、一般的に建物の周囲へ足場を設置します。
別々の時期に施工すると、それぞれの工事で足場代が必要になる可能性があります。
一度の足場で外壁と屋根を施工できれば、将来必要になる足場代を一回分抑えられる可能性があります。
ただし、次のような場合は、必ずしも同時に塗装する必要はありません。
- 屋根を塗り替えたばかりである
- 屋根塗膜に目立った劣化がない
- 塗装を必要としない屋根材を使用している
- 屋根材の下地まで傷み、塗装では直せない
- 数年以内に屋根のカバー工法や葺き替えを予定している
- 予算の都合で必要性の高い工事を優先したい
外壁塗装のついでに屋根を塗るのではなく、屋根材の種類、塗膜、割れ、錆、下地の状態を確認してから判断しましょう。
住宅紛争処理技術関連資料集でも、屋根塗膜の膨れ、割れ、剥がれは、塗膜自体の劣化だけでなく、材料や下地、施工条件などが関係すると説明されています。
屋根単体の塗装費用や内訳は、屋根塗装の費用相場で詳しく解説しています。
外壁塗装と屋根塗装の時期はそろえた方がよい?
外壁と屋根の塗り替え時期が近いなら、同時施工を検討しやすくなります。ただし、「築10年だから外壁も屋根も塗る」と年数だけで決める必要はありません。
| 確認する場所 | 主な確認ポイント |
|---|---|
| 外壁 | 色あせ・チョーキング・ひび割れ・塗膜剥がれ |
| サイディング目地 | コーキングのひび割れ・剥離・硬化 |
| スレート屋根 | 色あせ・塗膜剥がれ・苔・ひび割れ・反り |
| 金属屋根 | 色あせ・塗膜剥がれ・錆・腐食 |
| 棟・板金 | 浮き・固定不良・錆 |
屋根は外壁より日射や雨の影響を受けやすいため、同じ時期に施工しても次回の劣化時期が完全にそろうとは限りません。
前回の施工年、使用塗料、屋根材と外壁材の状態を確認し、数年以内にもう一度足場が必要になりそうかを基準の一つにしましょう。
外壁塗装と「ベランダ防水」は同時にするべき?

外壁塗装とベランダ防水も、劣化時期が重なっている場合は同時施工を検討できます。
ベランダは外壁、サッシ、手すり壁、笠木などと接しているため、外壁塗装と同時に周辺を点検すると、取り合い部分の不具合を確認しやすくなります。
同時施工が向いているのは、次のようなケースです。
- トップコートの色あせ・チョーキングが進んでいる
- 防水層に細かなひび割れがある
- 外壁とベランダの取り合い部分に隙間がある
- サッシ周辺や手すり壁も補修する
- ベランダ外側の壁を塗装する
- 外壁工事の足場がベランダ周辺にも必要になる
ただし、ベランダ防水が健全なら、外壁塗装と同時だからという理由だけで全面的な再防水を行う必要はありません。
表面のトップコートだけが劣化しているのか、その下の防水層まで傷んでいるのかを確認します。
住宅紛争処理技術関連資料集では、バルコニーの防水工法は、下地、用途、施工部位などを踏まえて選ぶ必要があると説明されています。
ベランダも同時に点検する場合は、ベランダ防水工事の費用相場も確認してください。
外壁塗装と屋根塗装を同時にした費用相場

一般的な2階建て戸建住宅では、外壁塗装、屋根塗装、ベランダ防水をまとめると、110万〜220万円程度が一つの目安です。
| 工事内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| 外壁塗装のみ | 80万〜150万円程度 |
| 屋根塗装のみ | 40万〜80万円程度 |
| ベランダのトップコート | 5万〜15万円程度 |
| ベランダの再防水 | 10万〜35万円程度 |
| 外壁塗装+屋根塗装 | 100万〜190万円程度 |
| 外壁塗装+ベランダ防水 | 90万〜180万円程度 |
| 外壁塗装+屋根塗装+ベランダ防水 | 110万〜220万円程度 |
| 仮設足場 | 15万〜30万円程度 |
上記は、30坪前後の一般的な2階建て戸建住宅を想定した当サイト上の目安です。
公的機関や塗料メーカーが定める一律の料金ではありません。
実際の費用は、塗装面積、屋根勾配、建物形状、劣化状況、塗料、防水工法、足場、地域などによって変わります。
また、外壁塗装のみ、屋根塗装のみの費用相場には、それぞれ足場代を含むケースがあります。
外壁塗装と屋根塗装の相場を単純に足し算すると、足場代を二重に計算する可能性があるため注意してください。
30坪・35坪・40坪・50坪の外壁・屋根塗装はいくら?
検索では「30坪」「40坪」など延床面積から相場を調べる方が多いですが、坪数=外壁や屋根の塗装面積ではありません。
同じ40坪でも、2階建てと3階建て、総2階と凹凸の多い住宅、屋根勾配などによって施工面積が変わります。
| 延床面積の目安 | 外壁+屋根塗装の総額目安 |
|---|---|
| 30坪前後 | 100万〜190万円程度 |
| 35坪前後 | 110万〜200万円程度 |
| 40坪前後 | 120万〜220万円程度 |
| 50坪前後 | 140万〜250万円程度 |
上記は、一般的な2階建て住宅で外壁と塗装可能な屋根を同時施工する場合の当サイト上の比較用目安です。公的な統一価格ではありません。
シーリングの施工量、高耐久塗料、屋根の急勾配、3階建て、大きな下地補修などがあると、同じ坪数でも金額は上がります。
外壁・屋根塗装で180万円・200万円は高い?
180万円や200万円という総額だけでは、高い・安いを判断できません。
例えば、30〜40坪前後の住宅でも、次の内容が含まれると180万円前後になることがあります。
- 外壁塗装と屋根塗装
- 仮設足場・飛散防止シート
- サイディング目地のコーキング打ち替え
- 雨どい・軒天・破風板などの付帯部塗装
- 屋根材のひび割れ・板金補修
- 高耐久グレードの塗料
200万円を超えていても、40〜50坪、3階建て、急勾配屋根、下地補修が多い住宅なら直ちに高すぎるとはいえません。
一方、30坪前後の一般的な2階建てで補修範囲が少ないのに200万円を大きく超える場合は、施工面積・塗料・補修範囲・足場・諸経費を分けて、別の会社の見積もりと比較すると判断しやすくなります。
「180万円だから高い」「100万円なら安い」と総額だけで決めず、何㎡を、どの商品で、どこまで補修する見積もりなのかを比べてください。
同時施工で足場代はいくら安くなる?

外壁塗装と屋根塗装を別々に行う場合、それぞれで15万〜30万円程度の足場代がかかる可能性があります。
同時施工では、外壁と屋根の作業に必要な足場を共用できるため、将来の足場設置を一回分減らせる可能性があります。
例えば、次のようなケースです。
| 施工方法 | 費用例 |
|---|---|
| 外壁塗装を先に施工 | 外壁工事80万円+足場20万円 |
| 5年後に屋根塗装 | 屋根工事40万円+足場20万円 |
| 別々に施工した合計 | 160万円 |
| 外壁と屋根を同時施工 | 外壁80万円+屋根40万円+共通足場20万円 |
| 同時施工の合計 | 140万円 |
この例では、足場を共用することで20万円抑えられます。
ただし、上記は仕組みを分かりやすくするための計算例です。
実際には、屋根の勾配、飛散防止シート、昇降設備、隣家との距離、カーポートの脱着などによって足場費用が変わります。
屋根勾配が急な場合は、建物周囲の足場とは別に屋根足場が必要になることもあります。
同時施工で抑えられるのは、主に重複する足場・養生・現場管理などの費用です。塗料、防水材、下地補修など、それぞれの工事に必要な費用がなくなるわけではありません。
外壁塗装と屋根塗装はどちらが先?
同時施工では、施主が「外壁から」「屋根から」と決めるのではなく、施工会社が天候や乾燥時間を見ながら工程を組みます。
一般的には、高圧洗浄後に下地補修・養生を行い、高い位置にある屋根側の工程を先に進めることがあります。ただし、外壁の下地補修やコーキング、屋根の乾燥待ちなどを並行して進める現場もあります。
重要なのは「どちらを先に塗るか」より、各塗料の乾燥時間、塗り重ね間隔、雨天時の扱いを守ることです。
契約前に工程表をもらい、屋根・外壁・コーキング・付帯部をどの順番で施工するのか確認しましょう。
外壁塗装と屋根塗装を同時に行うメリット
足場を一度で済ませられる
同時施工の大きなメリットは、外壁と屋根の足場を共用できることです。
外壁塗装を終えた数年後に屋根塗装を行うと、再び足場代が必要になります。
両方が補修時期なら、同じ足場を使うことで総額を抑えやすくなります。
住宅の外装をまとめて点検できる
外壁、屋根、雨どい、軒天、破風板、ベランダなどを同じ時期に点検できます。
高所へ足場を設置することで、地上からは見えにくい次の不具合も確認しやすくなります。
- 屋根材の割れ・反り・錆
- 棟板金の浮き・釘抜け
- 外壁上部のひび割れ・塗膜剥がれ
- 破風板・軒天の劣化
- 雨どいの変形・継ぎ目の外れ
- ベランダ外側や笠木周辺の不具合
ただし、足場へ上がれることと、屋根や防水を正しく診断できることは別です。
各工事の経験がある担当者に確認してもらいましょう。
塗料の耐久性をそろえやすい
外壁と屋根を同時に塗装するときは、次回のメンテナンス時期を考えて塗料を選べます。
一般的に、屋根は外壁より紫外線や雨を受けやすく、塗膜の劣化が早くなる傾向があります。
外壁に高耐久塗料を使い、屋根に耐久性の低い塗料を使うと、屋根だけが先に塗り替え時期を迎える可能性があります。
次回も外壁と屋根を同時に施工したい場合は、屋根側に耐候性を考慮した塗料を選ぶなど、修繕周期を調整します。
外壁と屋根の塗料グレードを比較する前に、外壁塗装に使う塗料の種類と選び方も参考にしてください。
工事の打ち合わせや近隣対応をまとめられる
工事を一度にまとめることで、契約、色決め、近隣挨拶、養生、車両の出入りなども一回にまとめやすくなります。
別々に工事すると、そのたびに足場の組立・解体音や作業車両の出入りが発生します。
同時施工なら、住宅所有者と近隣住民の負担を減らせる場合があります。
外壁と屋根の色をまとめて検討できる
外壁と屋根を同時に塗装すると、住宅全体の配色をまとめて検討できます。
外壁だけを新しくした結果、古い屋根の色あせが目立つといった状態も避けやすくなります。
色見本だけでなく、カラーシミュレーションや過去の施工写真も確認しましょう。
同時施工のデメリットと注意点
一度に支払う金額が大きくなる
外壁、屋根、ベランダをまとめると、総額が100万〜200万円を超えることがあります。
足場代を抑えられても、一度に必要になる資金は増えます。
無理に工事範囲を広げず、緊急性の高い箇所と数年待てる箇所を分けることも大切です。
不要な工事まで追加される可能性がある
「せっかく足場を組むから」という理由だけで、劣化していない屋根や防水層まで工事すると、節約にはなりません。
例えば、ベランダのトップコートだけで済む状態なのに、全面的な防水層の再施工を行えば、費用は大きく増えます。
屋根についても、塗膜が健全なら、外壁と同時に必ず塗る必要はありません。
見積書では、各工事が必要な根拠を写真とともに示してもらいましょう。
塗装業者が防水工事を得意とは限らない
外壁塗装業者の中には、屋根塗装やベランダ防水にも対応する会社があります。
ただし、すべての塗装業者がFRP防水、ウレタン防水、シート防水、雨漏り調査まで得意とは限りません。
防水工事を別の専門業者へ外注する場合もあります。
次の点を確認してください。
- どの防水工法に対応できるか
- 自社施工か協力業者施工か
- 防水工事の施工実績があるか
- 使用材料のメーカー仕様を守れるか
- 防水工事の保証主体はどこか
工期が長くなる
外壁塗装だけでなく、屋根塗装や防水工事まで行うと、工期が長くなります。
| 工事内容 | 工期の目安 |
|---|---|
| 外壁塗装 | 10日〜2週間程度 |
| 屋根塗装 | 外壁と並行して数日〜1週間程度 |
| ベランダのトップコート | 1〜3日程度 |
| ベランダの再防水 | 2〜7日程度 |
| 外壁・屋根・防水の同時施工 | 2〜4週間程度 |
上記は、天候が安定し、大規模な下地補修がない場合の目安です。
雨、強風、低温、高湿度などによって、塗装や防水材の施工ができない日は工期が延びます。
保証内容が工事ごとに異なる
同じ会社へ一括して依頼しても、外壁塗膜、屋根塗膜、防水層、コーキングの保証内容が同じとは限りません。
例えば、防水工事は漏水を保証しても、トップコートの色あせや傷は対象外になる場合があります。
契約前に、工事箇所ごとの保証期間、対象症状、免責事項を確認しましょう。
同時施工がおすすめなケース
次の条件に当てはまる場合は、外壁塗装と屋根塗装・防水工事の同時施工を検討しやすいでしょう。
- 外壁と屋根の両方に塗膜劣化がある
- 前回の外壁塗装と屋根塗装が同じ時期である
- 屋根に色あせ・チョーキング・軽い錆がある
- 外壁のコーキングも補修時期を迎えている
- ベランダのトップコートや防水層も劣化している
- 破風板・軒天・雨どいも塗装する
- 数年以内に別の高所工事を予定していない
- 一度に支払える予算を確保できる
- 同じ会社が各工事に十分な実績を持っている
特に、外壁と屋根の塗膜が同程度に劣化している場合は、足場を共用するメリットを生かしやすくなります。
工事を分けた方がよいケース
次のような場合は、すべてを同時に施工せず、必要性の高い工事を優先する方法もあります。
- 屋根を数年前に塗装したばかり
- 屋根塗膜が健全である
- ベランダ防水層に劣化がない
- 外壁だけにひび割れ・塗膜剥がれがある
- 予算上、緊急性の高い工事しかできない
- 屋根は塗装ではなくカバー工法・葺き替えが必要
- 雨漏りの原因調査を先に行う必要がある
- 依頼先が防水工事に対応できない
必要のない工事を追加してまで、足場代を節約する必要はありません。
今回施工しない箇所については、次回の点検時期と、将来足場が必要になる可能性を確認しておきましょう。
屋根塗装は意味ない?カバー工法・葺き替えが必要なケース
「屋根塗装は意味がない」という検索もありますが、塗装による保護が必要な屋根材が塗り替え時期を迎えているなら、屋根塗装には意味があります。
ただし、屋根塗装は、屋根材表面の塗膜を新しくする工事です。
屋根材や下地の機能をすべて回復させる工事ではありません。
次の状態では、塗装以外の工事を検討する必要があります。
- スレート屋根が広範囲で割れている
- 屋根材が大きく反っている
- 金属屋根に穴あき・広範囲の腐食がある
- 屋根下地が腐食している
- 防水シートが劣化して雨漏りしている
- 過去の塗膜が何層も剥がれている
- 屋根材が塗装に適していない
状態によっては、部分修理、屋根カバー工法、葺き替えが候補になります。
外壁塗装と同時だからといって、塗装で済ませる必要はありません。
屋根の傷みが進んでいる場合は、屋根塗装・カバー工法・葺き替えの違いを比較してください。
コーキング工事も外壁塗装と同時に確認する

窯業系サイディング住宅では、外壁塗装と一緒にコーキングの打ち替え・増し打ちを行うことがあります。
コーキングには、外壁材の動きを吸収し、継ぎ目から雨水が入りにくくする役割があります。
外壁だけを塗り替えても、目地が破断・剥離したままでは、外壁全体のメンテナンスとして不十分です。
外壁塗装と同時に行うメリットは次のとおりです。
- 足場を共用できる
- 外壁材と目地をまとめて点検できる
- コーキング材と塗料の相性を確認できる
- 先打ち・後打ちの施工順序を調整できる
- 補修跡を外壁塗装で整えられる
見積書では、サイディング目地の打ち替えと、サッシ周辺の増し打ちを分けて記載してもらいましょう。
外壁目地も同時に補修する場合は、コーキング打ち替えの費用相場で単価と施工範囲を確認できます。
無料で見積もりを比較したい方へ
ここまで読んで、「外壁と屋根を同時に塗ると総額はいくらになるのだろう」「ベランダ防水まで一緒に施工するべきだろうか」と気になった方も多いのではないでしょうか。
同じ住宅でも業者によって、屋根塗装を同時に行う提案、数年後まで待つ提案、カバー工法を勧める提案などが異なることがあります。
1社だけで決めず、2〜3社へ同じ範囲の点検を依頼し、工事内容と総額を比較しましょう。
外壁と屋根の塗料は同じグレードにするべき?
外壁と屋根の塗料を、必ず同じ樹脂や商品へそろえる必要はありません。
重要なのは、それぞれの下地や使用環境に適した塗料を選び、次回の修繕時期を考えることです。
屋根は外壁よりも日射や温度変化の影響を受けやすいため、同じ塗料グレードでも屋根の方が先に劣化する場合があります。
例えば、外壁へシリコン系塗料、屋根へフッ素系塗料を使うなど、屋根側の耐候性を高める方法もあります。
ただし、塗料の名称だけで耐久性は決まりません。
次の条件も確認しましょう。
- 外壁材・屋根材との適合性
- 下塗り材の商品名
- 塗布量と塗装回数
- メーカーが示す施工間隔
- 日当たり・海沿い・積雪などの環境
- 施工業者の保証内容
同時施工の見積書で確認するポイント
| 確認項目 | チェックする内容 |
|---|---|
| 外壁面積 | 塗装面積・単価・除外箇所 |
| 屋根面積 | 実測面積・勾配・屋根材 |
| 足場 | 面積・単価・屋根足場の有無 |
| 外壁塗料 | メーカー名・商品名・色・塗布量 |
| 屋根塗料 | メーカー名・商品名・屋根材への適合 |
| 下塗り材 | 外壁・屋根それぞれの商品名 |
| 下地補修 | ひび割れ・錆・屋根材割れの範囲 |
| コーキング | 打ち替え・増し打ちの場所と施工距離 |
| ベランダ防水 | トップコート・FRP・ウレタンなどの工法 |
| 付帯部 | 雨どい・軒天・破風板・水切りなど |
| 工事期間 | 各工程の日数と天候延期の扱い |
| 追加工事 | 発生条件・単価・承認方法 |
| 保証 | 外壁・屋根・防水ごとの対象と期間 |
「外壁・屋根塗装一式」「防水工事一式」とだけ記載されている見積書では、工事内容を比較できません。
少なくとも、次のように分けて記載してもらいましょう。
- 仮設足場・飛散防止シート
- 外壁の洗浄・下地補修・塗装
- 屋根の洗浄・補修・塗装
- コーキング工事
- 付帯部塗装
- ベランダの下地処理・防水工事
- 養生・清掃・廃材処分
- 現場管理・諸経費
「同時施工割引」と書かれていても、元の価格が高ければお得とは限りません。
割引額だけでなく、施工面積、単価、塗料、補修範囲をそろえて比較してください。
見積書を受け取ったら、外壁塗装の見積書の見方で足場・塗装面積・下地補修・付帯部の内訳も確認してください。
同時施工を依頼する業者の選び方
外壁、屋根、防水をまとめる場合は、それぞれの工事内容を説明できる業者を選びましょう。
- 外壁と屋根を別々に診断している
- 屋根へ上がれない場合は写真や動画で確認する
- 塗装では直らない屋根症状を説明できる
- ベランダの既存防水を確認する
- トップコートと再防水の違いを説明できる
- 使用する塗料・防水材の商品名を示す
- 工事ごとの施工担当者を説明する
- 外注工事の責任範囲を説明できる
- 工程ごとの施工写真を残してくれる
- 追加工事前に写真と金額を提示する
- 外壁・屋根・防水の保証を分けて提示する
現地調査をほとんど行わず、「足場代が一度で済むから全部やりましょう」と勧める業者には注意してください。
外壁、屋根、防水の各工事が必要な理由を確認し、2〜3社の診断結果を比較しましょう。
国民生活センターも、突然訪問して住宅の不具合を指摘し、その場で修理契約を迫る点検商法に注意を呼びかけています。
「今すぐ屋根と外壁を全部直さないと危険」「今日契約すれば足場代を無料にする」と言われても、即決しないようにしましょう。
外壁塗装と屋根塗装の同時施工に関するよくある質問
外壁塗装と屋根塗装は必ず同時にするべきですか?
必ず同時にする必要はありません。
外壁と屋根の両方が補修時期なら同時施工が効率的ですが、屋根の状態が良好なら外壁だけを施工する選択肢もあります。
同時施工ではいくら安くなりますか?
足場を一度で済ませることで、将来必要になる15万〜30万円程度の足場代を抑えられる可能性があります。
ただし、建物形状、屋根勾配、足場の種類によって金額は異なります。
外壁と屋根を同時に塗るといくらかかりますか?
一般的な2階建て戸建住宅では、外壁塗装と屋根塗装を合わせて100万〜190万円程度が目安です。
塗装面積、塗料、下地補修、足場などによって総額は変わります。
ベランダ防水も一緒に施工できますか?
対応できる業者であれば、外壁塗装と一緒にトップコートや再防水を施工できます。
ただし、防水工法によって必要な技術が異なるため、既存防水と同じ工法の施工実績があるか確認してください。
外壁塗装とベランダ防水では足場を共用できますか?
ベランダ外側、手すり壁、笠木などを補修する場合は、外壁塗装の足場を利用できることがあります。
室内から出入りできるベランダ床だけの防水工事では、もともと足場が不要な場合もあります。
屋根塗装をせず点検だけしてもらえますか?
業者によっては、外壁塗装の足場を利用して屋根の状態を確認してもらえます。
屋根材、棟板金、錆、割れなどの写真を残してもらい、塗装が必要か判断しましょう。
屋根塗装よりカバー工法を勧められたらどうすればよいですか?
屋根材や下地の劣化が進んでいる場合は、塗装よりカバー工法が適している可能性があります。
塗装で対応できない理由、既存屋根の状態、カバー工法の重量や費用を確認し、別の業者にも点検を依頼してください。
外壁と屋根の塗料は同じメーカーにするべきですか?
必ず同じメーカーへそろえる必要はありません。
外壁材・屋根材に適合し、下塗り材を含めたメーカー仕様を守れる商品を選ぶことが重要です。
同時施工なら工事期間は短くなりますか?
別々に工事する場合と比べると、足場の組立・解体や養生をまとめられます。
ただし、一回の工事期間は外壁塗装だけより長くなり、2〜4週間程度かかる場合があります。
火災保険で外壁や屋根を一緒に修理できますか?
経年劣化による外壁塗装や屋根塗装は、一般的に火災保険の対象になりません。
台風、雹、飛来物などによって新たに損害が発生した場合は、契約内容によって補償対象になる可能性があります。
保険の対象になるかを判断するのは施工業者ではなく、加入している保険会社です。
外壁塗装・屋根塗装に助成金は使えますか?
自治体の住宅リフォーム支援制度などで対象になる場合がありますが、外壁や屋根を通常塗装するだけで全国一律に自動で補助されるわけではありません。
2026年も、国の住宅省エネ支援は断熱・省エネ改修など制度ごとの要件があります。塗装工事が対象になるかは、工事内容と制度要件を個別に確認してください。
地域の制度は、住宅リフォーム推進協議会「地方公共団体における住宅リフォーム支援制度検索サイト」から確認できます。最新の募集状況は自治体公式サイトへ確認しましょう。
まとめ
外壁塗装と屋根塗装は、両方が同じ時期に劣化しているなら同時施工を検討する価値があります。
| 工事内容 | 費用相場 |
|---|---|
| 外壁塗装 | 80万〜150万円 |
| 屋根塗装 | 40万〜80万円 |
| ベランダのトップコート | 5万〜15万円 |
| ベランダの再防水 | 10万〜35万円 |
| 外壁塗装+屋根塗装 | 100万〜190万円 |
| 外壁・屋根・ベランダ防水 | 110万〜220万円 |
| 足場 | 15万〜30万円 |
同時施工の主なメリットは、足場、養生、現場管理、近隣対応などをまとめられることです。
一方、次の点には注意してください。
- 一度に支払う金額が大きくなる
- 必要のない工事まで追加される可能性がある
- 屋根塗装では直せない劣化がある
- 塗装業者が防水工事を得意とは限らない
- 工事ごとに保証内容が異なる
- 塗料の選び方によって次回の修繕時期がずれる
見積もりを依頼するときは、外壁、屋根、コーキング、防水を分けて診断してもらいましょう。
足場代を安くすることだけを目的にせず、各工事が必要な根拠、施工方法、塗料・防水材、保証内容を比較することが大切です。
2〜3社へ同じ条件で見積もりを依頼し、外壁と屋根をまとめる場合と、工事を分ける場合の両方を比較してから判断しましょう。
外壁と屋根を同時施工するなら見積もりを比較する
外壁と屋根をまとめる場合は、総額だけでなく、足場を共用できるか、屋根塗装が必要な状態か、コーキングや付帯部まで含まれているかを確認します。
2〜3社へ同じ範囲を見てもらい、「同時施工する場合」と「屋根を数年待つ場合」の両方を比較すると判断しやすくなります。

この記事を書いた人
地方生活サポートハウス編集部
地方暮らしや住宅メンテナンス、
空き家管理に関する情報を発信しています。
実体験や専門家監修をもとに、
分かりやすい情報提供を心がけています。

