親から実家を相続したものの、
- 実家が遠方にある
- 仕事や家庭の事情で帰省できない
- 管理したくても時間がない
という方は少なくありません。
実際、相続した実家が空き家になり、そのまま管理できずに困っているケースは増えています。

しかし、空き家は放置すると建物の劣化だけでなく、
雑草や庭木による近隣トラブル、防犯上の問題などさまざまなリスクが発生します。
そのため、
「遠いから仕方ない」
ではなく、
「どう管理するか」
を考えることが大切です。
| 対処法 | 特徴 |
|---|---|
| 定期的に帰省する | 費用を抑えられるが負担が大きい |
| 親族に協力してもらう | 管理負担を分散できる |
| 空き家管理サービスを利用する | 遠方でも管理しやすい |
| 売却を検討する | 管理負担をなくせる |
| 活用を検討する | 賃貸や土地活用も可能 |
遠方に住んでいる場合は、自分一人で抱え込まず、管理サービスや売却も含めて検討することが重要です。
この記事では、遠方の実家を管理できない場合の対処法や管理方法について詳しく解説します。
遠方の実家を管理できない人が増えている理由
実家の管理で悩む人は年々増えています。
特に地方の実家を相続し、自分は都市部で生活しているケースでは、管理が大きな負担になることがあります。
ここでは、遠方の実家を管理できない人が増えている理由を見ていきましょう。
相続後も地元に住んでいないケースが多い
近年は進学や就職をきっかけに地元を離れる人が増えています。
そのため、
- 親は地方に住んでいる
- 子どもは都市部で暮らしている
という家庭も珍しくありません。
その状態で実家を相続すると、
「所有者は自分なのに、実家は数百キロ離れている」
という状況になります。
当然ながら、何か問題が発生してもすぐに対応することはできません。
また、実家へ戻る予定がない場合は、管理の優先順位も下がりやすくなります。
帰省する時間や費用の負担が大きい
遠方の実家を管理する最大の問題は、移動にかかる負担です。
例えば、
- 飛行機が必要
- 新幹線が必要
- 高速道路を利用する
といったケースでは、1回帰省するだけでも大きな出費になります。
さらに、
- 草刈り
- 換気
- 清掃
- 建物点検
などを行うとなると、日帰りでは難しいこともあります。
そのため、
「管理しなければいけないのは分かっているけれど、なかなか行けない」
という状況に陥りやすいのです。

実家との距離は想像以上に大きな問題です。
片道数時間かかるだけでも管理のハードルは高くなります。
特に仕事や子育てをしている世帯では、定期的な帰省が難しいことも少なくありません。
空き家の管理は想像以上に手間がかかる
空き家は人が住んでいないだけで、何もしなくてよいわけではありません。
実際には、
- 雑草の管理
- 庭木の剪定
- 郵便物の確認
- 建物の換気
- 通水
- 防犯対策
などが必要です。
特に庭の管理は負担が大きく、春から秋にかけては雑草が急速に成長します。
数か月放置しただけで、
「庭がジャングルのようになっていた」
というケースも珍しくありません。
遠方に住んでいるほど、こうした問題に気付きにくくなるため注意が必要です。
関連記事:
相続した実家を放置するとどうなる?リスクと対処法を解説
空き家を相続したら何をする?手続きと管理方法を解説
実家を放置すると発生するリスク
遠方に住んでいると、
「少しくらい放置しても問題ないだろう」
と思ってしまうかもしれません。
しかし、空き家は放置期間が長くなるほどリスクが大きくなります。
最初は小さな問題でも、気付いたときには高額な修繕費や近隣トラブルにつながっていることもあります。
ここでは、実家を放置した場合に発生しやすいリスクを紹介します。
雑草や庭木による近隣トラブル

境界付近の木が越境している。
伐採したい場合はこちらの費用だと言われた。
空き家で最も多いトラブルの一つが、雑草や庭木の放置です。
人が住まなくなると庭の管理が行われなくなり、雑草はあっという間に成長します。
特に春から秋にかけては成長スピードが早く、
- 隣地へ越境する
- 道路にはみ出す
- 害虫が発生する
- 景観が悪化する
といった問題が起こります。
また、庭木が大きくなりすぎると、
- 隣家の敷地へ枝が伸びる
- 電線に接触する
- 落ち葉が大量に発生する
などのトラブルにつながることもあります。


私は以前、自宅の隣にある空き地を自分で草刈りしました。
相手の都合で空き地の管理を任されたからです。
家から見える範囲だけでも約100㎡あり、作業には3日かかりました。
草刈りや木を切るなど好きにしていいと土地の所有者からは言われましたが、
何をするにしてもこちら持ちの費用。
労力も時間もお金もかかって他人の空き地を管理している状態なので、
私でなく他の人であればトラブルになっているかもしれません。
空き家でも同じように、放置期間が長くなるほど管理が大変になります。
建物の老朽化が進む
空き家は使わない方が長持ちすると思われがちですが、実際は逆です。
人が住んでいる住宅では、
- 換気
- 清掃
- 水道の使用
が自然に行われています。
しかし空き家になると、それらが止まってしまいます。
その結果、
- カビの発生
- シロアリ被害
- 雨漏り
- 木材の腐食
などが起こりやすくなります。
さらに、発見が遅れると修繕費が高額になることもあります。
数万円で済んだはずの修理が、数十万円から数百万円規模になるケースも珍しくありません。
不法侵入や不法投棄のリスク
長期間放置された空き家は、防犯上のリスクも高くなります。
人の出入りがない住宅は、
- 不法侵入
- 不法占拠
- ゴミの不法投棄
の対象になりやすくなります。
庭へゴミを捨てられたり、建物内へ侵入されたりした場合でも、所有者が対応しなければなりません。
また、郵便物が溜まっている住宅は、
「誰も住んでいない家」
と判断されやすく、防犯面でも好ましくありません。
遠方に住んでいるほど異変に気付きにくいため、定期的な確認が重要です。
固定資産税などの維持費がかかり続ける
空き家は住んでいなくても維持費が発生します。
代表的なものは、
- 固定資産税
- 都市計画税
- 火災保険
- 草刈り費用
- 剪定費用
などです。
特に遠方の場合は、
- 交通費
- 宿泊費
なども発生することがあります。
つまり、
「誰も住んでいないからお金がかからない」
のではなく、
「誰も住んでいないのにお金がかかり続ける」
状態になるのです。
そのため、長期間利用予定がない場合は、管理方法や活用方法を早めに検討することが重要です。
遠方の実家を管理する方法
遠方にある実家を所有している場合、
「管理しなければならないのは分かっているけれど、頻繁には行けない」
という方も多いでしょう。
しかし、だからといって放置してしまうと、建物の劣化や近隣トラブルなどのリスクが高まります。
大切なのは、自分の状況に合った管理方法を選ぶことです。
ここでは代表的な管理方法を紹介します。
定期的に帰省して管理する
もっとも費用を抑えやすい方法は、自分で管理することです。
定期的に帰省し、
- 換気
- 通水
- 郵便物の確認
- 草刈り
- 庭木の手入れ
- 建物の点検
を行います。

管理の目安としては、最低でも1〜2か月に1回程度は確認したいところです。
また、台風や大雨の後などは、建物や庭木に被害が出ていないか確認することも重要です。
ただし、実家が遠方にある場合は、
- 交通費
- 移動時間
- 宿泊費
などの負担が発生します。
そのため、継続的に管理できるかどうかを冷静に考える必要があります。
親族や知人に協力してもらう
実家の近くに親族や知人がいる場合は、協力してもらう方法もあります。
例えば、
- 郵便物の回収
- 庭の確認
- 異常がないかの見回り
だけでも大きな助けになります。
また、
- 台風後の状況確認
- 近隣からの連絡対応
などもお願いできる場合があります。
遠方に住んでいると、現地の状況がまったく分からなくなることがあります。
そのため、信頼できる人が近くにいるだけでも安心感は大きいでしょう。
ただし、
「誰が管理するのか」
「費用は誰が負担するのか」
を曖昧にするとトラブルの原因になります。
特に相続人が複数いる場合は、事前に役割分担を決めておくことが大切です。
空き家管理サービスを利用する
遠方の実家管理で最も現実的な選択肢の一つが、空き家管理サービスの利用です。
空き家管理サービスでは、
- 建物の巡回
- 換気
- 通水
- 郵便物の確認
- 庭の状況確認
- 写真付き報告
などを行ってくれます。
利用料金は地域やサービス内容によって異なりますが、一般的には月額数千円から1万円程度です。
一見すると費用がかかるように感じますが、
- 遠方への交通費
- 宿泊費
- 帰省の時間
を考えると、十分検討する価値があります。

また、定期的に写真付きで報告してもらえるため、
「今どうなっているのか分からない」
という不安を減らせます。
遠方の実家は、気付いた時には雑草が伸び放題になっていたり、建物が傷んでいたりすることがあります。
現地へ頻繁に行けない場合は、無理をせず管理サービスを活用するのも一つの方法です。
管理方法は「続けられるか」が重要
実家管理で大切なのは、
「最も安い方法」ではなく「継続できる方法」を選ぶことです。
最初は自分で管理するつもりでも、
- 仕事が忙しくなる
- 子どもが成長する
- 親族の協力が得られなくなる
といった理由で管理できなくなることもあります。
そのため、
- 自分で管理する
- 親族と協力する
- 管理サービスを利用する
の中から、無理なく続けられる方法を選ぶことが重要です。
空き家は一時的な問題ではなく、数年単位で付き合う可能性があります。
だからこそ、長期的な視点で管理方法を考えましょう。
空き家管理サービスを利用するメリット
遠方の実家を管理する方法として、近年利用者が増えているのが空き家管理サービスです。
特に、
- 実家が遠方にある
- 頻繁に帰省できない
- 親族の協力が難しい
という方にとっては、有力な選択肢になります。
ここでは空き家管理サービスを利用する主なメリットを紹介します。
建物の状態を把握しやすい
空き家管理サービスでは、定期的に建物を巡回し、
- 外観の確認
- 室内の換気
- 通水
- 異常の有無
などをチェックしてくれます。
さらに写真付きの報告書を送ってくれる会社も多く、
「今の実家がどんな状態なのか」
を把握しやすくなります。
遠方に住んでいると、数か月から数年も実家を見ていないケースがあります。
そのような場合でも、定期報告があることで安心感につながります。
近隣トラブルを予防できる
空き家で多い問題が、
- 雑草の繁殖
- 庭木の越境
- 郵便物の放置
などによる近隣トラブルです。
管理サービスを利用すれば、こうした問題を早期に発見しやすくなります。
トラブルは発生してから対応するよりも、
発生する前に防ぐ方が圧倒的に楽です。
近隣との良好な関係を維持するためにも、定期的な管理は重要です。
売却や活用の準備がしやすい
将来的に、
- 売却したい
- 賃貸に出したい
- 活用したい
と考えている場合も、管理された空き家の方が有利です。
長期間放置された住宅は、
- 劣化が進む
- 印象が悪くなる
- 修繕費が増える
といった問題があります。
一方で定期的に管理されている住宅は、建物の状態を維持しやすくなります。
その結果、売却や活用の選択肢も広がります。
空き家管理サービスは「何もしなくて済むサービス」ではありません。
正確には「遠方でも管理しやすくするサービス」です。
特に帰省が難しい方にとっては、安心材料の一つになると思います。
管理が難しいなら売却や活用も検討しよう
空き家を所有しているからといって、必ず管理し続けなければならないわけではありません。
今後住む予定がないのであれば、
- 売却する
- 賃貸として活用する
- 土地として活用する
といった方法もあります。
売却する
管理負担をなくしたい場合は売却が有力な選択肢です。
固定資産税や草刈り費用などの維持費も不要になります。
また、空き家は時間が経つほど資産価値が下がる可能性があります。
そのため、利用予定がないのであれば早めに検討することも重要です。
賃貸として活用する
立地や建物の状態によっては賃貸として活用できる場合があります。
家賃収入を得られる可能性がありますが、
- 修繕費
- 管理費
- 入居者対応
なども必要になります。
収益だけでなく管理負担も考慮して判断しましょう。
土地として活用する
建物の老朽化が進んでいる場合は、解体して土地活用する方法もあります。
ただし、
- 解体費用
- 固定資産税の変化
などもあるため、事前に検討が必要です。
まとめ
遠方の実家は、
「管理したいけれど管理できない」
という状況になりやすい不動産です。
しかし、放置してしまうと、
- 雑草や庭木による近隣トラブル
- 建物の劣化
- 不法侵入や不法投棄
- 固定資産税などの維持費負担
といった問題が発生します。
そのため、
- 定期的に帰省する
- 親族と協力する
- 空き家管理サービスを利用する
など、自分に合った管理方法を選ぶことが大切です。
また、今後住む予定がない場合は、
売却や活用も含めて早めに方向性を決めることが重要です。
空き家を負担やトラブルの原因にしないためにも、無理のない管理方法を検討していきましょう。

この記事を書いた人
地方生活サポートハウス編集部
地方暮らしや住宅メンテナンス、
空き家管理に関する情報を発信しています。
実体験や専門家監修をもとに、
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