空き家を所有している方の中には、「管理サービスを使わず、自分で管理したい」と考えている方もいるでしょう。
空き家は、定期的に現地へ行けるのであれば自分で管理することも可能です。
ただし、住んでいない家でも、
- 換気
- 通水
- 郵便物の確認
- 室内の点検
- 雑草・庭木の管理
- 外壁・屋根・雨どいの確認
- 防犯状態の確認
などを定期的に行う必要があります。

空き家管理で大切なのは、特別な作業を一度することではなく、同じ項目を継続して確認することです。
この記事では、空き家へ到着してから帰るまでの管理手順をチェックリスト形式で紹介します。
換気や通水の方法、管理する頻度、遠方で自分では管理できない場合の対処法まで解説するので、空き家を定期的に見に行く際の確認表として活用してください。

この記事の監修者
小野|不動産監修者
・不動産業界歴14年
・宅地建物取引士(宮崎県登録)
・FP2級
・取引実績:約300件
・専門分野:空き家売却・相続不動産・不動産査定・賃貸管理
不動産売買、売買仲介、賃貸管理業務に従事。
これまで約300件の不動産取引に携わり、空き家や相続不動産に関する相談・売却案件も多数担当。
本記事では実務経験と保有資格をもとに監修を行っています。
PR
今後使う予定がない空き家を、自分で管理し続けるか迷っている方へ
不動産一括査定の「イエウール」
空き家は、定期的に現地へ行けるのであれば自分で管理することもできます。 ただし、草刈りや修繕、固定資産税、現地までの交通費などの負担は、所有している限り続きます。 今後自分や家族が住む予定がなく、何年も自主管理を続けるか迷っている場合は、 現在いくらで売れそうかを確認してから、管理を続けるか売却するか比較してみましょう。
イエウールで空き家の査定を依頼する※査定額は不動産会社や物件の立地・状態などによって異なります。査定結果を確認したうえで、売却するか管理を続けるかを検討できます。
当サイトの調査記事
イエウールについて、 査定の仕組み・口コミ・評判・電話・キャンセル・途中入力・マイページ・利用前に確認したいポイント まで詳しく調べています。 査定を依頼する前にサービス内容を確認しておきたい方はこちらをご覧ください。
調査記事を見る →空き家管理は自分でできる?
空き家が現在住んでいる場所から近く、定期的に訪問できるのであれば、自主管理を検討できます。
| 状況 | 管理方法の目安 |
|---|---|
| 近隣にあり月1回程度訪問できる | 自主管理しやすい |
| 親族と分担できる | 自主管理しやすい |
| 車で数時間かかる | 自主管理+代行も検討 |
| 飛行機・新幹線が必要 | 管理サービスを検討 |
| 庭や建物の管理量が多い | 一部を業者へ依頼 |
| 今後住む予定がない | 売却・活用も含めて検討 |
「自分で管理できるか」は、作業そのものよりも、数か月・数年単位で継続して現地へ通えるかで判断することが重要です。
家を空き家にする前にやっておきたいこと
これから実家や自宅が空き家になる場合は、誰も住まなくなってから慌てないよう、事前に管理方法を決めておきましょう。
空き家にする前の確認リスト
□ 郵便物の転送・送付先変更を行う
□ 食品や生ごみを残さない
□ 冷蔵庫など長期間使わない家電を整理する
□ 現金・通帳・貴重品・重要書類を移動する
□ 電気・水道・ガスをどうするか決める
□ 火災保険などの契約内容を確認する
□ 鍵を誰が管理するか決める
□ 定期的に見に行く人を決める
□ 緊急時に連絡を受けられる状態にする
□ 必要に応じて近隣へ空き家になることを伝える
特にライフラインは、「誰も住まないから全部止めればよい」とは限りません。
定期的に通水するため水道を残すのか、凍結のおそれがある地域ではどう管理するのかなど、建物や地域に合わせて決めます。
保険についても、居住中と空き家になった後で契約上の取り扱いが変わる可能性があるため、保険会社へ確認しておくと安心です。
【チェックリスト】空き家へ行ったときの管理手順
自分で空き家を管理する場合は、訪問するたびに同じ順番で確認すると見落としを減らせます。
以下は、一般的な戸建ての空き家を想定した管理手順です。
STEP1|家に入る前に建物と敷地を一周する
いきなり玄関を開けるのではなく、まず家の周囲を歩いて異常がないか確認します。
□ 窓ガラスが割れていないか
□ 雨どいが外れていないか
□ 外壁に大きなひびや剥がれがないか
□ 屋根に目立つ破損がないか
□ 庭木が道路や隣地へ出ていないか
□ 雑草が大きく伸びていないか
□ ごみ・不法投棄がないか
□ 門扉やフェンスが壊れていないか
屋根は地上から見える範囲だけ確認し、点検のために屋根へ上る必要はありません。
STEP2|郵便受けを確認する
ポストに郵便物やチラシが大量にたまっていると、長期間人が来ていないことが外から分かりやすくなります。
訪問するたびに回収し、必要な郵便物は送付先変更も検討しましょう。
STEP3|玄関を開けたら異臭・侵入跡を確認する
家へ入ったら、すぐに作業を始めるのではなく室内の変化を確認します。
- 強いカビ臭
- 下水のような臭い
- 動物や害虫の痕跡
- 物が動かされた形跡
- 床の水濡れ
- 天井や壁の雨染み
前回の訪問時になかった異常があれば、写真を撮って記録しておきます。
STEP4|窓や室内ドアを開けて換気する
安全に窓を開けられる天候であれば、室内へ風を通します。
1か所だけ窓を開けるのではなく、可能であれば離れた位置にある窓や室内ドアも開け、家の中を空気が通る状態にすると効率的です。
押し入れ・クローゼット・納戸なども湿気がこもりやすいため、扉を開けて内部の状態を確認します。
STEP5|キッチン・洗面所・浴室・トイレを通水する
水道を利用できる状態にしている場合は、各水回りも確認します。
長期間使わないと、排水口の封水が減り、下水からの臭いや虫が上がってくることがあります。
訪問時にはキッチン・洗面台・浴室などで水を流し、トイレも正常に流れるか確認しましょう。
同時に、蛇口・給水管・排水管周辺から水が漏れていないかも見ます。
STEP6|各部屋を一周して異常を確認する
□ 天井に雨染みがないか
□ 壁紙にカビや変色がないか
□ 床が濡れていないか
□ 畳や床が沈んでいないか
□ 窓やサッシから雨水が入っていないか
□ 害虫や小動物の痕跡がないか
□ 家具や荷物にカビが出ていないか
小さな異常でも前回と比較できるよう、同じ場所を定期的に写真へ残す方法もおすすめです。
STEP7|庭・雑草・庭木を確認する

木や雑草が生い茂っている空き地
空き家では室内以上に、庭や敷地の変化が近隣から見えやすくなります。
雑草が伸びすぎていないか、庭木が道路・隣地・電線方向へ伸びていないか確認しましょう。

私は自宅横の空き地を3日かけて草刈りしたことがあります。雑草は伸び切ってから対応すると、刈る作業だけでなく片付けまでかなり大変になります。
STEP8|写真を撮って管理記録を残す
毎回の管理で意外に役立つのが写真です。
外観、庭、各部屋、水回りなど、できるだけ同じ場所・同じ方向から撮影しておくと、
- ひびが広がった
- 庭木が大きくなった
- 雨染みが増えた
- 外壁が変色した
といった変化に気づきやすくなります。
STEP9|窓・水回り・施錠を確認して帰る
管理を終えたら、最後に家全体をもう一度確認します。
□ 開けた窓をすべて閉めた
□ 水が出しっぱなしになっていない
□ 異常な水漏れがない
□ 不要な電気を消した
□ 玄関・勝手口・窓を施錠した
□ 郵便物を回収した
□ 管理した日を記録した
空き家の換気はどうする?
空き家管理の中でも、検索されることが多いのが換気です。
人が住まなくなった住宅では、日常的に窓やドアを開ける機会がなくなるため、室内に湿気がこもっていないか定期的に確認します。
空き家の換気は月1回程度を目安に確認する
空き家全体の管理と合わせて、月1回程度の訪問時に換気する方法が分かりやすいでしょう。
ただし、建物の立地や湿気の多さ、季節によって必要な管理は変わります。
窓を開けることだけを目的にするのではなく、カビや結露、異臭などの異常がないか確認することも重要です。
雨の日は無理に窓を開けない
雨が吹き込みそうな日や、風雨が強い日に無理に窓を開ける必要はありません。
室内へ雨水が入りそうな場合は換気を延期し、その日は雨漏りや窓周辺への水の侵入がないか確認する日にしてもよいでしょう。
冬でも室内の状態を確認する
冬も空き家管理自体を止めるわけではありません。
結露やカビだけでなく、寒冷地では給水管の凍結などもあるため、地域や住宅設備に合わせた管理が必要です。
24時間換気や換気扇をつけっぱなしにする?
空き家だからといって、すべての住宅で換気扇や24時間換気を「常時つける」「必ず止める」と一律に決めることはできません。
設備の種類、電気契約、建物の状態、長期間無人にする期間などによって判断が変わります。
継続運転を考える場合は、その住宅に設置されている設備の取扱説明書やメーカー、住宅会社などへ確認してください。
サーキュレーターだけでは換気にならない
サーキュレーターは室内の空気を動かすには便利ですが、単独では屋外の新しい空気と入れ替えることはできません。
空気を循環させる補助として考え、換気そのものとは分けて考えましょう。
空き家では定期的に通水も行う
水道を利用できる状態で維持している空き家では、換気とあわせて水回りも確認します。
長期間水を使わないと、排水口にたまっている封水が減り、悪臭や害虫が室内へ上がる原因になることがあります。
訪問時には、
- キッチン
- 洗面所
- 浴室
- トイレ
などを順番に確認します。
水を流したときに、蛇口の付け根や配管周辺から漏れていないかも確認しましょう。
空き家管理はどれくらいの頻度で行う?
空き家の立地や状態によって必要な頻度は異なりますが、月1回程度を一つの管理目安にすると分かりやすいでしょう。
| 管理内容 | 目安 |
|---|---|
| 建物の巡回 | 月1回程度 |
| 換気 | 訪問時に確認 |
| 通水 | 訪問時に確認 |
| 郵便物 | 訪問時に確認 |
| 室内・外観点検 | 訪問時に確認 |
| 草刈り | 生育状況に合わせる |
| 庭木 | 樹種・成長状況に合わせる |
| 台風・大雨・地震後 | 必要に応じて臨時確認 |
特に雑草や庭木は季節によって成長速度が大きく変わるため、「年○回」と固定するより、現地の状態を見て増減させる方が実用的です。
空き家管理は、問題が起きたときだけ見に行くのではなく、問題が起きる前に変化を見つけることが目的です。
季節や災害後に追加で確認したいこと
春〜夏は雑草・庭木
暖かくなると雑草や庭木が一気に成長することがあります。
道路や隣地への越境、害虫の発生、不法投棄されやすい状態になっていないか確認しましょう。
梅雨はカビ・雨漏り
雨が続く時期は、天井や壁の雨染み、押し入れ・収納内部のカビ、室内の異臭などを重点的に確認します。
台風・大雨・強風の後
台風や強風のあとには、
- 屋根材
- 雨どい
- 窓
- 外壁
- 庭木
- フェンス
などに変化がないか、地上から確認します。
自分で空き家管理できない場合はどうする?
空き家管理は自分でもできますが、遠方にある場合や仕事・家庭の事情で定期的に訪問できないこともあります。
その場合は「自分で全部やる」以外の方法を組み合わせましょう。
親族や知人に見回りをお願いする
空き家の近くに親族がいる場合は、郵便物や外観など簡単な確認をお願いする方法があります。
ただし、長期間すべての管理を任せるのではなく、所有者自身が管理方針を決めたうえで補助的にお願いする方がよいでしょう。
空き家管理サービスを利用する

空き家管理代行では、サービスによって、
- 外観巡回
- 郵便物確認
- 室内点検
- 換気
- 通水
- 庭や敷地の確認
- 写真付き報告
などを依頼できます。
ダスキン・警備会社・不動産会社・地域の管理業者など、提供主体によってサービス内容は異なるため、料金だけでなく「室内へ入るのか」「換気・通水をするのか」「庭まで確認するのか」を比較してください。
遠方の実家なら自主管理とサービスを組み合わせる
毎月帰省するのが難しい場合は、数か月に一度は自分で確認し、その間の見回りを管理サービスへ任せる方法もあります。
自治体の空き家相談窓口も確認する
自治体によっては、空き家に関する相談窓口や管理・売却・解体などの情報提供を行っている場合があります。
自分で管理できないものの、何から始めればよいか分からない場合は、空き家がある市区町村の窓口を確認するのも一つの方法です。
空き家の維持管理には費用もかかる
自分で管理すれば管理代行の月額料金は抑えられますが、空き家の維持費がゼロになるわけではありません。
例えば、
- 固定資産税
- 水道・電気などの基本料金
- 交通費
- 草刈り・剪定費
- 修繕費
- 保険料
- 管理サービス費
などが発生することがあります。
特に田舎の実家など、移動距離が長い場合は、管理サービスの料金だけでなく自分で通う交通費と時間も含めて比較するとよいでしょう。
空き家を管理せず放置するとどうなる?
空き家を長期間管理しないと、建物の劣化だけでなく周囲への影響が大きくなる可能性があります。
- 屋根・外壁などの破損
- 雑草や庭木の越境
- 害虫・害獣
- ごみの不法投棄
- 不審者の侵入
- 近隣トラブル
といった問題につながることがあります。
管理不全空家等として指導・勧告の対象になる場合がある
適切な管理が行われず、このまま放置すると周囲へ大きな影響を及ぼす状態になるおそれがある空き家は、自治体から「管理不全空家等」として指導などを受ける場合があります。
指導を受けても改善されず勧告に至ると、その敷地は固定資産税などの住宅用地特例の対象から外れる場合があります。
そのため、空き家は「使っていないから何もしなくてよい」のではなく、利用・売却・解体などの方針が決まるまでの間も適切に管理することが重要です。
今後使わない空き家なら売却・活用も検討する
空き家を数年間管理していても、今後誰も住む予定がないのであれば、管理を続けることだけが選択肢ではありません。
固定資産税や修繕費、草刈り、交通費などは所有している限り続きます。
将来的に利用する予定がない場合は、
- 売却する
- 賃貸として活用する
- 解体して土地を活用する
といった方法も含めて検討しましょう。

空き家管理で大切なのは「継続できる方法を選ぶこと」です。維持する目的がなくなった場合は、売却や活用まで含めて早めに方向性を考えることも重要です。
空き家管理に関するよくある質問
空き家はどれくらいの頻度で見に行けばいいですか?
建物の状態や立地によって異なりますが、月1回程度を一つの目安として定期的に確認すると管理しやすいでしょう。台風・大雨・地震などの後は、必要に応じて追加で確認します。
空き家の換気は毎月必要ですか?
定期訪問の際に換気と室内点検をまとめて行う方法があります。換気の必要性は建物や季節によって異なるため、カビ・結露・異臭などの状態も確認してください。
雨の日でも空き家を換気した方がいいですか?
雨が室内へ吹き込む可能性がある場合は、無理に窓を開ける必要はありません。安全に換気できる日に行い、雨の日は雨漏りや窓周辺の水濡れを確認する機会としてもよいでしょう。
空き家の換気扇はつけっぱなしにした方がいいですか?
住宅設備の種類や建物の状態によるため、一律には判断できません。常時運転を検討する場合は、設備の取扱説明書やメーカー、住宅会社などへ確認してください。
空き家管理サービスはいくらかかりますか?
外観巡回だけなのか、室内へ入って換気・通水まで行うのかなど、サービス内容によって料金が異なります。
詳しい費用については、次の記事で解説しています。
空き家管理について自治体へ相談できますか?
自治体によっては空き家相談窓口を設け、管理・売却・活用・解体などの相談や情報提供を行っている場合があります。空き家がある市区町村の公式サイトを確認してみましょう。
まとめ|空き家管理はチェックリストを使って継続する
空き家は、自分で定期的に訪問できるのであれば自主管理することも可能です。
空き家管理で確認すること
- 外から建物と敷地を確認する
- 郵便物を回収する
- 室内の異臭や雨漏りを確認する
- 安全な天候で換気する
- 水道を維持している場合は通水する
- カビ・害虫・水漏れを確認する
- 雑草・庭木を管理する
- 外壁・雨どい・屋根を地上から確認する
- 写真と管理日を記録する
- 最後に窓・水回り・施錠を確認する
ポイントは、訪問するたびに作業内容を変えるのではなく、同じチェック項目を定期的に確認し、前回との変化を見つけることです。
遠方にあり継続的な管理が難しい場合は、親族の協力や空き家管理サービスも組み合わせましょう。
そして今後利用する予定がない空き家なら、管理を何年も続ける前に、売却・活用・解体まで含めて今後の方向性を検討することも大切です。
参考:国土交通省「空き家対策 特設サイト」「空き家の適切な管理に関する指針」

この記事を書いた人
地方生活サポートハウス編集部
地方暮らしや住宅メンテナンス、
空き家管理に関する情報を発信しています。
実体験や専門家監修をもとに、
分かりやすい情報提供を心がけています。









